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週刊地震情報 2020.12.6 1日(火) サハリン西方沖でM6.7の深発地震 異常震域が見られる

2020/12/06 10:55 ウェザーニュース

この1週間で、国内で観測された地震回数は前週に比べるとほぼ同じ水準です。震度3以上の地震は1回発生しています。全体の回数としてはそれほど多くないものの、関東から北海道にかけて太平洋側の地域で地震が目立ちます。また、三宅島近海で地震活動が活発です。(11月30日~12月6日10時の集計)

国内:サハリン西方沖で深さ619kmの深発地震

サハリン西方沖の地震
1日(火)7時55分頃、サハリン西方沖を震源とするマグニチュード6.7、深さ約619kmと推定される地震が発生しました。この地震では北海道猿払村と青森県八戸市などで最大震度の3を観測しています。

震源に近い北海道よりも少し離れた青森県三八上北地方など、東北北部太平洋側で揺れが強く、震源が深い地震の時に多く見られる、「異常震域」の震度分布が現れています。

太平洋プレートが深く潜り込んでいるオホーツク海では、こうした深発地震が過去にも多く発生し、最近では2018年にマグニチュード6.1、2013年にはマグニチュード8.3の地震が起きています。

今回のようなサハリン西方沖での発生は少なく、マグニチュード6以上の深発地震は1939年4月以来のことです。
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深発地震による異常震域とは?

異常震域の仕組み
震源の浅い地震では震央から同心円状に揺れの強い地域が分布することが多いものの、深発地震では地震波が伝わりやすい太平洋プレートに沿って遠方の地域に揺れが伝わる「異常震域」と呼ばれる震度分布となることがあります。

今回の地震は、千島海溝から北西に向かって沈み込む太平洋プレートの深部で発生した地震とみられます。

太平洋プレートが深く沈み込んでいる場所では同様の深発地震がしばしば起き、数年に一度マグニチュード6以上の規模の地震も発生します。一方、一度の地震での余震がほとんどないことも特徴です。

前述した2013年にオホーツク海で発生したマグニチュード8.3の地震では、最大震度こそ3に留まったものの、震度1以上の揺れは九州まで到達しました。深発地震でも規模が大きくなると揺れの影響が出てきますので、油断が出来ません。

世界:アルゼンチンでM6.3の地震

世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)
アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は4回発生しました。最も大きなものは日本時間の2日(水)にアラスカ沖で発生したマグニチュード6.4の地震です。(前述のサハリン西方沖の地震もUSGSはマグニチュード6.4と解析)

今回は1日(火)にアルゼンチン北西部で発生したマグニチュード6.3の地震に注目しました。アルゼンチンは地震国である隣のチリに比べて、地震があまり発生しません。マグニチュード6を超えるような地震が起きるのは、今回の震源を含む、チリとの国境近くと、サンティアゴ・デル・エステロ州での深発地震くらいです。ブエノスアイレスなど大西洋に近い地域では大きな地震はほとんどありません。

1日(火)の地震はマグニチュードはやや大きかったものの、深さが189kmと深く、震央周辺でも強い揺れはありませんでした。メカニズムは東西方向に張力軸を持つ、正断層型と解析され、プレート内部が破壊されるタイプと考えられます。
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参考資料など

※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。