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電子レンジ火災に注意 その使い方は間違っていない?

2020/12/08 09:16 ウェザーニュース

電子レンジによる火災が増えています。東京消防庁の調べによると、2006年に11件だった電子レンジ火災が2018年は40件に増加しました。誤った電子レンジの使い方が火災に繋がったケースが多いそうです。あなたは間違った使い方をしていませんか。

焼き芋を作ろうとして電子レンジ火災

どんな電子レンジの使い方をして火災になったのか、東京消防庁が紹介しています。

【事例1】
女性が生のさつま芋を温めようと、電子レンジで10分加熱した。さらに温めようと5分間の加熱をセットして離れたところ、異音が聞こえたので戻ってみると、さつま芋が燃えて、電子レンジから煙が出ていた。

【事例2】
コンビニ店で客が「調理不可」のアルミ製レトルトパック食品を加熱したためスパークし、電子レンジ庫内上部の樹脂に着火して出火。他の客が「ボン」という音と電子レンジの隙間から煙が出ているのを発見して店員に知らせ、電子レンジを控室に運んで119番通報した。

食品の加熱や調理不可の包装で出火

東京消防庁によると、電子レンジ火災は、食品の加熱(必要以上に長い時間温める)や、調理不可の包装(冷凍食品でアルミを使った素材で包装したもの)を加熱するなど、誤った使用方法により火災が発生していると注意を呼びかけています。どんな食品をどのくらい加熱すると出火するのか、東京消防庁消防技術安全所が再現実験しました。

金属は電子レンジ内でスパークする

電磁波は、マイクロ波という電磁波を庫内に照射して食品を加熱します。このマイクロ波は水分に吸収され、分子を振動させて摩擦熱で食品を加熱しますが、紙や陶磁器、ガラスなどは通り抜けます。

しかし、アルミなどの金属が使われた容器やレトルトパック食品の袋、内側にアルミなどの金属が貼られた冷凍食品の袋などを電子レンジで加熱すると、電磁波によりスパークが発生します。すると加熱していた食品の容器や袋、庫内に付着した油・食品等のかすに着火して火災となるのです。

電子レンジ火災を防ぐ4項目

東京消防庁は「電子レンジ火災を防ぐ普段の心得」として次の4項目をあげています。
(1)さつま芋や中華まんなどは、長時間加熱すると爆発的に燃焼する危険がある。加熱時間を長めにせず、取扱説明書等で確認する。
(2)調理中はその場を離れずに、食品の様子を見ながら加熱する。
(3)普段から電子レンジの周囲には、可燃物を置かないようにする。
(4)冷凍食品などは、包装の表示を確認してから加熱する。

電子レンジの庫内にこれまで調理した食品の汚れなどが付着していると、正しい使い方をしても発火することがあります。庫内はいつもきれいに清掃しておきましょう。

電子レンジから火や煙が出たら…

もし電子レンジ火災が起こったらどうしたらよいのでしょうか。あわてて扉を開けて燃えているものを取り出そうとして、着ている服に着火して死亡した事例があるので、東京消防庁は次の対応を呼びかけています。

(1)扉を開けずに電源を遮断する。
(2)扉を閉めたまま、あわてずに庫内の様子を見る。
(3)火が消えなければ、扉を閉めたまま、消火器などの消火器具を準備する。

いまや私たちにとって毎日の生活に欠かせない電子レンジ。事故のないように正しい使い方を心がけていきたいですね。

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参考資料など

東京消防庁「電子レンジを安全に使用しましょう」、東京消防庁「電子レンジで加熱中に発火危険!」