まだインフル感染者は200人台
厚生労働省は毎週、全国のインフルエンザ患者数を公表しています。それによると8月31日〜11月29日の13週間の患者数は263人です。昨年同期は9万8279人でした。昨年に比べて99.7%も減少しているのです。昨シーズンは早い時期から感染が増えたため、11月4日の週(45週)から流行シーズンに入りましたが、今シーズンは週ごとの報告数が100分の1以下なのです。インフルエンザ患者が激減したのはなぜでしょうか。
「いくつかの理由が考えられますが、多くの人が新型コロナウイルスの感染予防でマスクや手洗いをしていることが、インフルエンザ患者を減らしていると思われます。インフルも新型コロナも飛沫と接触で感染するので、コロナ対策がインフルエンザ予防になっているのでしょう」と言うのは、感染症に詳しい横浜相原病院(横浜市瀬谷区)の吉田勝明院長です。
海外との人的交流がなかった
今シーズンのインフルエンザが激減した2つ目の理由もコロナ禍の影響です。
「今年は3月以降の渡航制限によって海外との人的交流が減少したことが、インフルエンザ患者を減らしていると考えられます。流行が半年ずれる南半球や季節を問わず流行している熱帯・亜熱帯地域からの入国者が冬季のインフルエンザ流行に関与していると言われています。そういった人的交流の減少が流行を抑えていると思われます」(吉田院長)
ちなみに、今年は南半球のオーストラリアやニュージーランドでもインフルエンザの流行がなかったと言います。北半球と南半球の人的交流がインフルエンザの流行の一因だったのかもしれません。
「今年は3月以降の渡航制限によって海外との人的交流が減少したことが、インフルエンザ患者を減らしていると考えられます。流行が半年ずれる南半球や季節を問わず流行している熱帯・亜熱帯地域からの入国者が冬季のインフルエンザ流行に関与していると言われています。そういった人的交流の減少が流行を抑えていると思われます」(吉田院長)
ちなみに、今年は南半球のオーストラリアやニュージーランドでもインフルエンザの流行がなかったと言います。北半球と南半球の人的交流がインフルエンザの流行の一因だったのかもしれません。
早い時期のワクチン接種
「3つ目の理由は、早い時期から行われたインフルエンザのワクチン接種があげられます。新型コロナとの同時流行があり得ることから、ワクチン接種が啓発され、多くの人が接種したことでインフルエンザ患者が減っていると考えられます」(吉田院長)
ほかにも、“ウイルス干渉”という仮説がインフルエンザ患者が少ない理由としてあげられることがあります。体内の細胞がウイルスに感染すると、他のウイルスに感染しにくくなると言うのです。
「しかし、欧米ほどコロナ感染者が多くない日本で、新型コロナがインフルエンザを駆逐できるのかは疑問です。インフルエンザと新型コロナに同時感染した症例も報告されています」(吉田院長)
ほかにも、“ウイルス干渉”という仮説がインフルエンザ患者が少ない理由としてあげられることがあります。体内の細胞がウイルスに感染すると、他のウイルスに感染しにくくなると言うのです。
「しかし、欧米ほどコロナ感染者が多くない日本で、新型コロナがインフルエンザを駆逐できるのかは疑問です。インフルエンザと新型コロナに同時感染した症例も報告されています」(吉田院長)
コロナ禍で全般的に感染症は減少
インフルエンザだけでなく、今年は水痘(みずぼうそう)や手足口病、流行性角結膜炎といった感染症も減少しています。
「コロナ感染を恐れて受診を控えているケースもあるでしょうが、多くの人がマスク、手洗い、消毒液を使う習慣が感染症の流行を減らしていると言えます」(吉田院長)
この冬はインフルエンザの流行がないのでしょうか。
「今のところ流行の兆候は見られませんが、決して油断できません。新型コロナと同じように、ある集団や地域でインフルエンザ感染のクラスターが発生すれば、あっという間に感染が拡大します。ワクチンを接種していない人は、今からでも接種しておくといいでしょう」(吉田院長)
新型コロナは私たちの生活を大きく変えましたが、例年のインフルエンザ流行も変えたのかもしれません。しかし、いつ流行が発生してもおかしくない状況ですので、今後も気を抜かずに過ごしたいですね。
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「コロナ感染を恐れて受診を控えているケースもあるでしょうが、多くの人がマスク、手洗い、消毒液を使う習慣が感染症の流行を減らしていると言えます」(吉田院長)
この冬はインフルエンザの流行がないのでしょうか。
「今のところ流行の兆候は見られませんが、決して油断できません。新型コロナと同じように、ある集団や地域でインフルエンザ感染のクラスターが発生すれば、あっという間に感染が拡大します。ワクチンを接種していない人は、今からでも接種しておくといいでしょう」(吉田院長)
新型コロナは私たちの生活を大きく変えましたが、例年のインフルエンザ流行も変えたのかもしれません。しかし、いつ流行が発生してもおかしくない状況ですので、今後も気を抜かずに過ごしたいですね。
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