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最多記録 大西洋域で30個目の命名、熱帯低気圧「イオタ」発生

2020/11/14 18:20 ウェザーニュース

中米のカリブ海で、トロピカル・ストーム(発達した熱帯低気圧)「Iota(イオタ)」が発生しています。北大西洋では、今年に入って命名された熱帯低気圧としては30個目となりました。そのうちトロピカル・ストームは29個と、2005年の最多記録27個を上回っています。今年の発生個数は平年(12.1個)の約2.5倍です。

新たな災害発生のおそれ

Iota(イオタ)は西に進みながら発達を続け、ハリケーンになるおそれがあります。ホンジュラスやニカラグアでは週明けから雨風が強まる予想です。現地ではすでにハリケーン「Eta(エータ)」による洪水被害に見舞われていて、新たな災害の発生や被害の拡大が懸念されます。

トロピカル・ストームの名前の付け方

米国の国立ハリケーンセンター(National Hurricane Center)によると、大西洋北部で発生するトロピカル・ストームの名前は予め決められたリストに基づいて毎年Aからアルファベット順に命名されます。

ただし、Q、U、X、Y、Zの5文字については語頭になるのが一般的ではないという理由でリストから省かれており、21個目までがアルファベットから始まる名称で命名され、22個目からはギリシャ文字の名称が充てられます。

今年は、2005年以来15年ぶりにギリシャ文字の名称が付けられています。

日本の台風とは基準が異なる

なお、トロピカル・ストームは日本の”台風”の勢力に近いものの、風速の基準が「10分間平均最大風速」と「1分間平均最大風速」で違うため、単純に比較することはできません。
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