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インフルエンザワクチン予防接種は発病を減らすだけではない

2020/11/04 05:07 ウェザーニュース

厚生労働省の発表によると、2020年10月19日から25日までの全国のインフルエンザの発生状況は、昨年同期と比べて約130分の1となっています。ただ、昨年は流行が早く、年によって流行入りの時期が違うため、油断はできません。

インフルエンザ対策の柱の一つはワクチンです。今シーズン(2020~2021年)は「過去5年で最大量(最大約6300万人分)のワクチンを供給予定」(厚生労働省)とのこと。

このワクチンの効果を表す数値を「有効率」といい、6歳未満の小児を対象とした2015~2016年シーズンの研究では、発病防止に対するインフルエンザワクチンの有効率は60%と報告されています。

「ワクチンの有効率60%」の意味

インフルエンザワクチンの有効率が60%と言われれば、「ワクチンを接種した人の60%はインフルエンザにかからない」と思うかもしれません。しかし、それは誤解です。

厚生労働省の「平成30年度インフルエンザQ&A」では、「ワクチンの有効率60%」とは次の状況だと解説しています。

●ワクチンを接種しなかった100人のうち30人がインフルエンザを発病(発病率30%)

●ワクチンを接種した200人のうち24人がインフルエンザを発病(発病率12%)

→ワクチン有効率={(30−12)/30}×100=60%


計算式の意味は、ワクチンを接種しなかった人(発病率30%)が、もしワクチンを接種していたら(発病率12%)、発病率を60%減らせたはずという意味なのです。「発病を減少させる割合」と言い換えると理解がしやすいかもしれません。

ワクチンが重症化を防いでくれる

「ワクチンを打ったのにインフルエンザにかかってしまった」という人が少なくありません。厚生労働省も「麻しん(はしか)や風疹ワクチンで認められているような高い発病予防効果を期待することができません」と「インフルエンザQ&A」に記載しています。

そして「インフルエンザワクチンの最も大きな効果は、『重症化』を予防することです」と明記しています。国内の研究によると、「65歳以上の高齢者福祉施設に入所している高齢者については34〜55%の発病を阻止し、82%の死亡を阻止する効果があった」といいます。

インフルエンザの発病を防ぐためだけでなく、かかってしまったあとの重症化を防ぐためにも、ワクチンの予防接種は受けておいた方が良さそうです。

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参考資料など

厚生労働省「インフルエンザQ&A」