うろこ雲ができる条件
「『うろこ雲』ができるのは高度5〜13kmと高く、このくらいの高度になると雲は氷の結晶の集まりからできています。氷の結晶が落下せずに浮いていられるのは、雲の下から上昇気流が吹いているからです。
しかし、『うろこ雲』ができるということは、そのすぐ上には冷たい空気があり、冷たい空気は比重が重いために下降気流が生まれているのです。つまり、『うろこ雲』をはさんで、下からは上昇気流、上からは下降気流が流れて、対流が生まれているのです」(山口剛央)
しかし、『うろこ雲』ができるということは、そのすぐ上には冷たい空気があり、冷たい空気は比重が重いために下降気流が生まれているのです。つまり、『うろこ雲』をはさんで、下からは上昇気流、上からは下降気流が流れて、対流が生まれているのです」(山口剛央)
蜂の巣のようなパターンで細胞状の渦
流体(大気や液体)の広い範囲で、上が冷たい、下が暖かいという温度差があると独特の対流が生まれます。これは1900年にフランスの物理学者アンリ=ベナールが発見したことからベナール対流と呼ばれています。
「ベナール対流は『細胞状態流」とも呼ばれ、いくつもの対流があちこちに生まれ、それが蜂の巣状に規則正しく並んで見えます。『うろこ雲』のうろこ一つひとつがベナール対流の産物なのです。身近な例では、熱い味噌汁を放置すると中は熱いのに表面から冷めるため、汁椀の中でいくつもの対流が生じます。味噌汁を飲むときは、飲み干すのを少し待って、汁椀の中を観察してください」(山口剛央)
「ベナール対流は『細胞状態流」とも呼ばれ、いくつもの対流があちこちに生まれ、それが蜂の巣状に規則正しく並んで見えます。『うろこ雲』のうろこ一つひとつがベナール対流の産物なのです。身近な例では、熱い味噌汁を放置すると中は熱いのに表面から冷めるため、汁椀の中でいくつもの対流が生じます。味噌汁を飲むときは、飲み干すのを少し待って、汁椀の中を観察してください」(山口剛央)
うろこ雲一片の大きさは?
地上からだと「うろこ雲」の一片はとても小さく見えますが、いったいどれくらいの大きさなのでしょうか。地上からでもある程度の大きさをつかむことができます。
「『うろこ雲』の一片の視直径(見かけの大きさ)は1度以下とされています。空に浮かんだ『うろこ雲』に腕を伸ばして指を当てたとき、小指の幅と同じくらいの大きさです。高度5〜13kmで視直径が1度といえば、その長さは87〜227m。たとえば、高度8kmに浮かぶ「うろこ雲」なら、1片が約140mということになります。
ちなみに、ジャンボジェットとして親しまれたボーイング747-400の全長が70.6mです。地上からみると、小指ほど小さいですが、実際はジャンボジェット2つ分の大きさがあるのです」(山口剛央)
秋によく出る「うろこ雲」を見たら、どのくらいの高さに浮いているのか、雲の一片の大きさはどのくらいなのか、天空の妙技に思いをはせてはいかがでしょうか。
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「『うろこ雲』の一片の視直径(見かけの大きさ)は1度以下とされています。空に浮かんだ『うろこ雲』に腕を伸ばして指を当てたとき、小指の幅と同じくらいの大きさです。高度5〜13kmで視直径が1度といえば、その長さは87〜227m。たとえば、高度8kmに浮かぶ「うろこ雲」なら、1片が約140mということになります。
ちなみに、ジャンボジェットとして親しまれたボーイング747-400の全長が70.6mです。地上からみると、小指ほど小さいですが、実際はジャンボジェット2つ分の大きさがあるのです」(山口剛央)
秋によく出る「うろこ雲」を見たら、どのくらいの高さに浮いているのか、雲の一片の大きさはどのくらいなのか、天空の妙技に思いをはせてはいかがでしょうか。
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参考資料など
写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)
きよみんさん
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