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空を見ると「近視」が改善する!?

2020/10/20 09:08 ウェザーニュース

「偽近視」という言葉を聞いたことがありますか?

実は、近視で眼鏡やコンタクトレンズを使っている人の中には、本当は近視でないことがあります。

そういう人は、空を見るなど目をトレーニングすると改善することがあるといいます。

目を酷使すると一時的に近視になる

「テレビやパソコン、スマホなどを見続けていると目のピントを調節する『毛様体筋』という筋肉が緊張して一時的に近視のような状態になることがあります。

これ偽近視とか仮性近視と呼んでいます。目を休めたり遠くを眺めたりして緊張が解けると近視は改善します」と言うのは、横浜市立大学医学部眼科学教室の水木信久教授です。

しかし、目を休養させないと偽近視が続きます。その状態で視力を測定すると、「0.3」などと近視の烙印(らくいん)を押されて、眼鏡やコンタクトレンズを使っているうちに本当の近視になってしまうと水木教授は付け加えます。

屋外活動で近視が予防できる

台湾が行っている子どもたちの近視予防対策がテレビで報道されて話題になりました。

20歳以下のおよそ8割が近視という台湾で、近視を予防するために体育の授業を屋外で週150分行ったり、理科の授業で屋外観察したりした結果、7年間で視力0.8未満の小学生の割合が5%以上減ったというのです。

「教室内の授業では本やノートなどを手元の近いところで見ますから目は緊張を強いられます。屋外に出て遠くのものを見れば目は緊張から解放されて偽近視が改善されるのです。また、屋外で光に暴露されていること自体に近視抑制効果があることも分かってきています」(水木教授)

空にある何かを見るだけで近視がよくなることも

大人の場合はどうしたらよいのでしょうか。

「眼鏡やコンタクトレンズを使っている人も、裸眼で遠くの空や建物などを見ることで近視が改善することがあります。視力が0.3だった人が、眼鏡をとって空にある雲や星を眺めているうちに視力が1.0に回復した例があります。

ただし、漠然と空を見ているだけではだめで、見るための目標物(視標)が必要です。例えば、パイロットは操縦中に空を見ていますが、見るべき視標が無いとむしろ近視化します。したがって、空を見る時も、漠然と見るのではなく、その中の特定の雲や星を見るようにすると効果的です」(水木教授)

空にある雲や星、もしくは遠くの建物などを裸眼で5〜10分間眺め、日常生活でも支障がなければ眼鏡やコンタクトレンズを使わない習慣をつけてみてください。偽近視であれば、近視がよくなるかもしれません。たとえ近視が治らなくても、視力は上がるはずです。
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