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交通死亡事故が激増する「魔の時間帯」 特に秋は要注意

2020/10/14 14:27 ウェザーニュース

例年、交通死亡事故は薄暮(日没の前後1時間)の時間帯に多発していますが、警察庁によると、とりわけ10月~12月にかけて増加しています。秋は日暮れが早く、薄暮の時間は周囲の視界が徐々に悪くなるためです。

早めにヘッドライトを点灯しよう

警察庁が平成25年から29年の5年間における死亡事故件数を分析した結果、次のことが明らかになりました。

▼死亡事故は、17時台から19時台に多く発生
▼薄暮時間帯の月別死亡事故は、10月に300件を超え12月にかけて増える
▼そのうち自動車と歩行者が衝突する事故が最も多い(事故別では歩行者の横断中が約9割、横断場所は横断歩道以外での発生が約8割)

このような結果から、警察庁では「薄暮の時間帯は周囲が見えづらくなって、歩行者や自転車、他の車などの発見が遅れたり、距離や速度などが分かりにくくなり、事故につながりやすくなります。薄暗くなる前から早めに前照灯(ヘッドライト)を点灯し、自分の車の存在を他者に知らせましょう。速度を落として交通状況にいっそう注意して慎重な運転を心がけてください」と呼びかけています。

秋は急速に日が暮れる

“秋の日はつるべ落とし”ということわざがあるように、他の季節に比べて急速に日が暮れていきます。日没時間は地域によって異なるものの当然のことながら夏から秋に向かって早くなっていき、薄明(日の入後しばらく暗くならない現象)の継続時間も6月は日が沈んでから約2時間かけてゆっくりと暗くなっていくのに対し、秋は日没後から真っ暗になるまでの時間が短いのです。

とりわけ横断歩道以外での歩行者の存在には要注意です。「まだよく見えているから」、「周囲の車がまだ点けていないから」といってヘッドライトを点灯せずにいると事故を引き起こす可能性が高まります。

オートライト機能に任せきりにしない

「オートライト」機能による点灯タイミングは車種によって異なる!?
車の運転者は、夕暮れになってもヘッドライトを点けずに走行しがちです。これは、周囲が暗くなると自動的にヘッドライトが点灯する「オートライト」機能に任せきりにしていることも要因と言えそうです。

JAF(日本自動車連盟)では、オートライトの点灯タイミングは車種によって異なることを、5種類の車を用いて検証しました(検証は5月時)。このテストの結果、オートライトがいちばん早く点灯した車と最後に点灯した車とでは約27分の時間差がありました。

「オートライトの有無にかかわらず、薄暗く感じたら積極的にヘッドライトを点灯しましょう。特に、日暮れが早くなる季節は、午後4時を過ぎたら点灯するように意識してください」(JAF)

ハイビームの活用も死亡事故防止に効果

また、「自動車 対 歩行者」による死亡事故(夜間・自動車直進中)を警察庁が調査分析した結果、ライトを上向きにするハイビームを活用していれば衝突回避できた可能性の高いケースがあることが判明し、ハイビームの活用は事故防止に一定の効果があることが明らかになりました。

「夜間、街灯が少ない暗い道などを走行するときは、ハイビームにすることで、歩行者などを遠くから発見することができ、早期の事故回避措置が可能となります。ただし、ハイビームは他の車両等を眩惑(げんわく)させるおそれがあるので、対向車との行き違いや他の車の直後を走行時、交通量の多い市街地などでは、ライトをロービームに切り替えてください」(警察庁)


まさに秋のドライブシーズンですが、夕方は早めのヘッドライトの点灯、ハイビームの適切な切り替えを行いましょう。
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参考資料など

「平成30年上半期における交通死亡事故の特徴等について」(警察庁)、「薄暮時間帯における死亡事故に係わる分析」(警察庁)、「オートライトの点灯タイミングって車種によって違う?」(JAF)