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週刊地震情報 2020.10.11 7日(水)に熊本市などで震度3 熊本地震からは4年半が経過

2020/10/12 09:18 ウェザーニュース

この1週間で、国内で観測された地震回数は前週とほぼ同じ水準です。震度3以上の地震は4回発生しました。地震は太平洋側で目立っており、中四国では震度1以上の地震がありませんでした。(10月5日~10月11日10時の集計)

国内:熊本で最大震度3 熊本地震の活動エリア

熊本県熊本地方の地震
7日(水)9時34分頃、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード3.5、深さ約10kmと推定される地震が発生しました。この地震で熊本市と宇城市で最大震度3を観測しています。

この地震は2016年に発生した熊本地震の活動エリアと見られます。熊本地震からはすでに4年半が経過しているものの、熊本県熊本地方の地震回数は、熊本地震以前に比べると多く、今年に入ってから、震度3以上の地震は4回起きています。(そのうち1回は2019年に和水町で震度6弱を観測したの地震の活動域)

被害につながるような規模の地震こそないものの、影響の大きさが伺いしれます。

国内:岩手県沿岸でM4.7 震度3を観測

岩手県沿岸南部の地震
6日(火)15時27分頃、岩手県沿岸南部を震源とするマグニチュード4.7、深さ約94kmと推定される地震が発生しました。この地震で岩手県大船渡市や青森県階上町で震度3、東北太平洋側を中心とする広い範囲で震度2の揺れを観測しています。

地震のメカニズムは北西ー南東方向に張力軸をもつ正断層型と解析されています。プレートが潜り込む境界面に近いエリアではありますが、メカニズムからプレート内が破壊された地震と見られます。

岩手県沿岸の深さ100km前後では時々マグニチュード5前後の地震が発生しており、2008年7月24日には、マグニチュード6.8の大きな地震が起きました。今回の地震に比べると震央が陸地側だったため、最大震度6弱、青森県から宮城県にかけての広い範囲で震度5弱以上の揺れに見舞われています。

大きな被害をもたらした、岩手・宮城内陸地震のわずか1か月後だったものの、メカニズムが全く違い、関連性は小さいと考えられています。

世界:パプアニューギニアでM6.3の地震 震源の深さは約100km

世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)
アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上は2回発生しました。最も強い地震は8日(木)にパプアニューギニアで発生したマグニチュード6.3の地震です。

この地震はパプアニューギニアの陸域が震央でしたが、深さが100km以上と深かったため、地震の規模の割に揺れは小さく、被害が発生するほどにはなりませんでした。地震のメカニズムは横ずれ型と解析されています。

今年7月には今回の震源の少し南でマグニチュード7.0、深さ約73kmの地震が発生、この時は日本の震度階級に換算して震度4前後の揺れがあったと見られています。震源がやや深い場合でも、地震の規模が大きくなれば、地表付近の揺れも強まりますので、油断が出来ません。

パプアニューギニア周辺は複雑なプレート境界の構造となっているため、今回のような震源の深い地震や、津波を引き起こすような浅い地震など様々なタイプの地震が発生します。
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参考資料など

※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。