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2020年は9月まで台風上陸ゼロ その理由はラニーニャと気圧配置

2020/09/30 17:54 ウェザーニュース

今年はこれまで台風の上陸がありません。

9月までに台風上陸がなかったのは、2009年9月以来11年ぶりのことです。

ラニーニャ現象で、台風発生位置が西にずれた

日本列島は8月から9月は台風シーズンで、例年、9月までに2個程度上陸します。

台風が日本列島に上陸しなかった要因の一つは、台風の発生位置が平年に比べて西よりだったため、中国大陸や東シナ海に進むことが多かったことです。

台風の発生場所が平年に比べて西寄りになったのは、ラニーニャ現象の発生と、インド洋東部の海面水温が高かったためと見られます。

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ラニーニャ現象とは、南米沿岸にかけての海面水温が平年より低い状態が続く現象です。

ラニーニャ現象の発生時は太平洋上の東風が平常時よりも強くなり、その影響で暖かい海水が西部により厚く蓄積します。そのため、台風の発生しやすい海域も西に寄ることになります。

太平洋高気圧や偏西風に遮られた

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また、太平洋高気圧の勢力も影響しています。

8月から9月の前半は日本付近が太平洋高気圧に覆われていたため、台風は本州付近に近づくことができませんでした。

9月後半になると、太平洋高気圧は次第に勢力を弱め、上空を流れる強い西風、偏西風帯が次第に南下し、下旬には平年より南寄りを流れるようになりました。このため、台風12号は東寄りのコースをとって上陸することはありませんでした。

ピーク過ぎても油断できず

10月になると、平年の上陸数は0.2個と少なくなります。

しかし、去年(2019年)に東日本や東北に甚大な被害をもたらした台風19号は10月に上陸していて、まだ台風シーズンは終わったわけではありません。

今年は、10月前半も南の海上では対流活動が活発になると予想されていて、熱帯低気圧や台風が発生する可能性があります。

太平洋高気圧もそれなりに勢力を維持していて、日本本土への接近もあり得るので、あと半月ほどは注意が必要です。

今年の台風シーズン終了はそのあとになる見込みです。
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