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秋・冬用の衣類が大好物! 衣類害虫界の“四天王”をどう防ぐ!?

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2020/09/29 10:36 ウェザーニュース

そろそろ衣替えの季節です。大事にしていたカシミヤのセーターに虫食いの穴を見つけたことはありませんか。防虫対策をしないとクローゼットや衣装ケースの中で衣類害虫は食べ放題。どのように対策したらよいのでしょうか。

衣類害虫界の“四天王”

「衣類に穴を開ける虫を衣類害虫といいますが、イガ、コイガ、ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシを衣類害虫界の“四天王”と呼んでいます。それらの成虫は衣類を食べませんが、干してある洗濯物に付いたり、外出時に自分の衣類に付いて家の中へ持ち込まれます。

家の中に入ると、産卵するための場所を探します。卵が孵化してすぐに餌を食べることができるよう、クローゼットや衣装ケースの中に入り込み、衣服に卵を産みます。それらの幼虫が衣類を餌にするため、その食べ跡が衣類の穴になるのです」というのは、アース製薬研究部生物研究課の有吉立課長です。

上等な素材だけでなく化繊も食べる

カシミヤやウールなど上等な衣類が被害にあうことが多いようです。衣類害虫の幼虫は美食家なのでしょうか。

「柔らかくて食べやすいカシミヤやウールなどを好みますが、他に食べるものがなければ綿や化繊も食べます。また、食べこぼし等の栄養分が含まれた汚れた箇所を加害することも多いです」(有吉課長)

幼虫が衣類を食べるのは季節的にいつ頃が多いのでしょうか。

「イガとコイガは年2〜3回発生し、カツオブシムシ類は5〜7月に成虫が発生して産卵します。幼虫が衣類を食べるので、季節的には主に春から秋にかけて食害が発生します」(有吉課長)

秋から冬にかけて使用することの多いセーターなどは、特に衣類害虫の被害にあうことが多いようです。衣替えで取り出したあとでしまう場所も、しっかり対策するようにしましょう。

衣類害虫の防ぎ方

衣類害虫から衣類を守るにはどうしたらよいのでしょうか。

汗や皮脂汚れが残っていると、収納後、衣類を取り出した時に、黄ばみやニオイが発生していたり、食べこぼしなどの汚れがあると、保管中に虫食いの被害にあうことがあるといいます。一度でも袖を通した衣類は、しっかり汚れを落としてよく乾かしてからしまうようにしましょう。もちろん、最初に洗濯表示を見て、家で洗濯できるかどうかの確認を忘れずに。

また、衣類をきれいにしても、しまう場所がホコリだらけだと意味がありません。ホコリの中に卵や幼虫が隠れていることもあるようなので、衣替えを機に収納場所も掃除することがオススメです。

もちろん、防虫剤も上手に活用しましょう。

「以前は樟脳やナフタリンが主流でしたが、臭いが取れるまで風に当てるなど大変でした。今は無臭ピレスロイド系が主流です。ピレスロイド系の殺虫剤の有効成分は成虫にも幼虫にもよく効きますが、哺乳類は分解する酵素があるので安全性が高いのです」とアース製薬研究部の浅井一秀係長は言います。

クローゼット用の防虫剤、引き出し・衣装ケース用の防虫剤など用途に応じて選べます。

「衣類害虫など虫を見つけたら直接噴射するスプレータイプの防虫剤もありますし、天然植物成分配合でピレスロイド系を含んでいない防虫剤は、薬剤に敏感な方やお子様がいる家庭でも安心してお使いいただけます」(浅井係長)

衣類害虫が大好きな冬物衣類を取り出す時期になりました。虫食い穴をつくらないためにも、衣装ケースやクローゼットの防虫対策をしっかり行いたいものです。
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