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マスクの蒸れは肌の潤いと逆効果!? 乾燥シーズン前から始める正しいメンテナンス法

2020/09/25 06:01 ウェザーニュース

秋は気温や湿度の変化から肌の調子が乱れがちな季節です。今秋はひと夏マスクを着け続けた影響もあり、すでに危うい状態にあるかもしれません。皮膚科専門医の野村皮膚科医院(横浜市神奈川区)院長の野村有子先生にお話をうかがいます。

季節の変わり目にマスクの影響も

「気温が急に下がったことで、『マスクを外すと肌がヒリヒリする』と訴える患者さんがあらわれています。もう肌の乾燥は始まっています」と野村先生は話します。

そもそも秋は、過ごしやすいようで実は”肌に優しくない”季節です。夏の強い陽射しやクーラーによる冷えなどにより、肌にはそのダメージが残っています。そこに寒暖差や湿度の低下などが加わります。

「秋は急に気温や湿度が低下することで、発汗量が減ったり血行が悪くなり、肌が乾燥しやすくなります。嫌われがちな汗ですが、汗と皮脂が混ざりあって皮脂膜をつくることで、肌を守る役割を果たしています。肌は、菌やウイルスなどの異物や紫外線などの刺激から身体を守ったり、水分の蒸散を防ぐものですが、乾燥が進むとバリア機能が低下してしまうのです」(野村先生)

さらに、今秋注意が必要なのが、新型コロナウイルス対策によるマスク着用の影響です。

「マスクを着用していると、蒸れによるかゆみ、肌の角質がふやけて毛穴がつまる、マスクとの摩擦など、どうしても悪影響があります。多くの人がこれまでになく長期間にわたってマスクを着けており、肌のトラブルが出ても不思議ではありません。

例えば、前述のようにマスクを外して『ヒリヒリ』するのは、着用中は蒸れた状態にあり、外した途端に乾燥し始めるからです。マスクの蒸れは、肌の潤いとは異なります。ニキビも、40〜50歳代など年齢に関わらず悩む人が増えています」(野村先生)

秋が深まり本格的な乾燥シーズンが来る前に、しっかりメンテナンスをしてリカバリーしましょう。

基本の「正しい洗浄と保湿」

帰宅したら、すみやかに肌をきれいにして、ストレスから解放してあげましょう。まず、きちんとした手順でマスクを外す必要があるといいます。

「ウイルスのついている可能性のある手で顔に触れないように、はじめに手を洗い、マスクを外した後にふたたび手を洗いましょう。

摩擦による肌への負担をなるべく減らすため、クレンジング剤はたっぷり使い、石鹸や洗顔フォームもしっかり泡立ててから顔を洗います。決してゴシゴシこすらないこと。洗浄成分が残らないよう、よくすすぐのも大切です。フェイスラインやあごのあたりは特に注意しましょう」(野村先生)

洗顔後は、すぐに化粧水や保湿剤を使って肌にうるおいを与えます。

「洗面所などに化粧水や保湿剤を置いておき、洗ったらすぐにケアするようにしましょう。首も忘れずにうるおいを与えます。

肌のコンディションに合わせるのも大切です。ニキビや皮脂の分泌が多めと感じる人は、顔全体をさっぱりタイプの化粧水でうるおし、乾燥しやすい部位に乳液など油分を含む保湿剤を重ねます。顔全体の乾燥が気になる人は、化粧水をしっとりタイプに変えます」(野村先生)

余裕があれば「手パック」でケア

より丁寧に肌をケアしたいのなら、「手パック」がおすすめです。

「手のひらに化粧水をたっぷりつけ、顔を覆うようにしてしばらく肌にのせます。肌が敏感になっているので、プレスはしないようにしましょう。あくまで優しく、少し時間をかけて肌をいたわってあげます」(野村先生)

化粧水が肌になじむと同時に、手のひらの温かさがじんわりと伝わり、心も穏やかになってきます。

秋も深まれば、ますます肌や身体にとって厳しい環境になってきます。

「食事や睡眠など、規則正しい生活も肌と健康を守るために大切です。インフルエンザ対策も忘れてはいけません。マスクも抗ウイルス加工のものなど、機能性を重視したものに切り替えたいものです。また、ノドの粘膜の働きを落とさないためにも、うがいも欠かさないようにしてください」(野村先生)

さわやかな秋空のもとで、肌や健康をしっかり守っていきたいものです。

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