「味覚」の代わりに「温熱間隔」を加えて意識
「通常、五感といえば『視覚』『聴覚』『嗅覚』『触覚』『味覚』を指しますが、睡眠五感では味覚を除いて『温熱感覚』を加えています。ぐっすりと眠るためには、この五つの感覚を意識した行動を取ることにより、よく眠れる体と心を作ることが必要です」(友野先生)
具体的に、睡眠五感を整えるための方法を紹介していただきましょう。
具体的に、睡眠五感を整えるための方法を紹介していただきましょう。
▼視覚/就寝1時間前に室内を暖色系の“夜モード”に
「睡眠五感のなかで、最も影響力が高いのが視覚。光を意識することです。新型コロナウイルス対策によるテレワークなどで、パソコンやスマートフォンを使用する機会が増えていると思います。画面から発せられるブルーライトは、脳内の生体時計がある『視交叉上核(しこうさじょうかく)』で感知され、メラトニンという物質の分泌を低下させます。
それによって『入眠困難』や『睡眠維持困難』が生じ、睡眠に悪影響を及ぼします。最低でも就寝時刻の30分前以降は、パソコンとスマホの使用を控えてください。それ以前、就寝の1時間前の時点で、空間照明をやや暗めの暖色系のものに切り替えておくこともポイントです。光環境を“夜モード”にシフトしておきましょう」(友野先生)
それによって『入眠困難』や『睡眠維持困難』が生じ、睡眠に悪影響を及ぼします。最低でも就寝時刻の30分前以降は、パソコンとスマホの使用を控えてください。それ以前、就寝の1時間前の時点で、空間照明をやや暗めの暖色系のものに切り替えておくこともポイントです。光環境を“夜モード”にシフトしておきましょう」(友野先生)
▼聴覚/音楽や自然音をかける場合は1時間でオフに
「睡眠中に覚醒反応を引き起こす騒音のレベルは45デシベル以上といわれています。電気のスイッチを消す音が56デシベルで、45デシベル未満というと図書館並みの静けさが要求されます。それ以上だと眠りに入る時間『入眠潜時』が延びたり目が覚めたり、浅い眠りが増えたりなどの悪影響が現れます。
とくに間隔を置いて起こる『間欠騒音』、つまり突発的な音は一定して起こる『連続騒音』よりも睡眠を大きく妨害します。また、就寝時は無音状態が理想ですが、どうしても何か音がしていないと眠れないという人は、クラシックやヒーリング音楽、鳥の声や小川のせせらぎなど、普遍的で静かな音色をかけましょう。その際は必ず、就寝後1時間でオフになるようタイマーをセットしてください」(友野先生)
とくに間隔を置いて起こる『間欠騒音』、つまり突発的な音は一定して起こる『連続騒音』よりも睡眠を大きく妨害します。また、就寝時は無音状態が理想ですが、どうしても何か音がしていないと眠れないという人は、クラシックやヒーリング音楽、鳥の声や小川のせせらぎなど、普遍的で静かな音色をかけましょう。その際は必ず、就寝後1時間でオフになるようタイマーをセットしてください」(友野先生)
▼嗅覚/入眠促進へ「自分が好きな香り」を活用
「香りの効用は、積極的に取り入れる必要があります。夜は“入眠を促進する”ラベンダー、ネロリ、カモミール、イランイラン、サンダルウッドなど。朝は“覚醒をうながす”レモンやペパーミントなどがおすすめです。ただし、大前提として『自分が好きな香りである』ことがポイントです。
手軽にできる芳香浴としては、寝床につく1時間ほど前に精油を2~3滴、枕元のティッシュペーパーやハンカチ、お湯を入れたマグカップに垂らすだけで十分。お気に入りのナイトフレグランスをパジャマに吹きかけたり、ピローミストを枕カバーにひと吹きしたりするのも効果的です」(友野先生)
手軽にできる芳香浴としては、寝床につく1時間ほど前に精油を2~3滴、枕元のティッシュペーパーやハンカチ、お湯を入れたマグカップに垂らすだけで十分。お気に入りのナイトフレグランスをパジャマに吹きかけたり、ピローミストを枕カバーにひと吹きしたりするのも効果的です」(友野先生)
▼触覚/寝具や寝間着には自分の好きな素材を
「『入眠時にどの程度リラックスできているか』は、その後の質の良い眠りに大きく影響します。掛け布団や敷き寝具、枕のカバーや毛布、パジャマなどの肌ざわりを追求することは、とても大切なポイントになります。
たとえば、シルク(絹製品)は肌ざわりや風合いがよく、保温・吸保湿・発散性に優れています。使い心地や耐久性といった観点でみると、コットン(綿製品)もおすすめです。素材のメリットをよく理解したうえで、寝具やナイトウェア(寝間着)にはなるべく自分の好きな素材を用いるようにしましょう」(友野先生)
たとえば、シルク(絹製品)は肌ざわりや風合いがよく、保温・吸保湿・発散性に優れています。使い心地や耐久性といった観点でみると、コットン(綿製品)もおすすめです。素材のメリットをよく理解したうえで、寝具やナイトウェア(寝間着)にはなるべく自分の好きな素材を用いるようにしましょう」(友野先生)
▼温熱感覚/「寝床内環境」は温度33±1℃、相対湿度50±5%が理想
「最後に、睡眠五感特有の温熱感覚についてです。温度・湿度の季節差が大きい日本では、寝室空間における温湿度管理がとても重要です。寝室の温湿度条件は寝具とともに、就寝した際に人と寝具の間にできる『寝床内気候』に影響し、睡眠の質に大きく影響するということが明らかになっています。
1年を通じて快適な寝床内気候は、温度は33±1℃、相対湿度は50±5%が理想です。また、寝室内の温度は、季節に合わせて16~27℃、湿度は55%前後を維持することが望ましいとされています。秋口でも締め切った寝室内の温度は上がりがちです。28℃を超えると寝苦しくなり、睡眠が妨げられるので注意しましょう」(友野先生)
睡眠の質は、翌日のパフォーマンスの質に直結します。「睡眠五感」を整えて睡眠の質を高め、夏の疲れをすっきり解消しましょう。
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1年を通じて快適な寝床内気候は、温度は33±1℃、相対湿度は50±5%が理想です。また、寝室内の温度は、季節に合わせて16~27℃、湿度は55%前後を維持することが望ましいとされています。秋口でも締め切った寝室内の温度は上がりがちです。28℃を超えると寝苦しくなり、睡眠が妨げられるので注意しましょう」(友野先生)
睡眠の質は、翌日のパフォーマンスの質に直結します。「睡眠五感」を整えて睡眠の質を高め、夏の疲れをすっきり解消しましょう。
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参考資料など
『大人女子のための睡眠パーフェクトブック 毎朝、目覚めるのが楽しみになる』(友野なお/大和書房)