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約3年ぶりにラニーニャ現象発生 秋から冬にかけて続く見込み(エルニーニョ監視速報)

2020/09/10 14:41 ウェザーニュース

気象庁は今日10日(木)、最新のエルニーニョ監視速報を発表しました。

8月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差は-0.6℃で、平年より低くなっています。対流活動は7月と同様に平年に比べて不活発で、貿易風は平年よりやや強い状況が継続しました。このような海洋や大気の状態から、ラニーニャ現象が発生したと見られます。
今後も太平洋赤道域の中部に見られる海洋表層の冷水が、今後東に移動し、東部の海面水温が平年より低い状態を、しばらくの間は維持すると考えられます。

エルニーニョ現象を予測するコンピューターシミュレーションの結果では、秋から冬のはじめにかけて基準値より低い値で推移したあと、次第に基準値に近づく見込みです。

このため、冬にかけてはラニーニャ現象が継続する可能性が高くなっています。

ラニーニャ現象は2017年秋~18年春以来

ラニーニャ現象の発生時は、北西太平洋の対流活動が活発になる傾向です。ウェザーニュースで台風やハリケーンの予測を行うグローバルストームセンターの見解では、9月~11月にかけての台風の発生数が平年並みになると見ています。引き続き台風の動向に要注意です。

ラニーニャ発生時の冬の天候は統計的に目立った特徴はないものの、偏西風の蛇行を引き起こして、日本付近に寒気の流れ込みやすいパターンになることがあります。

前回ラニーニャ現象が発生した2017~18年の冬は平均すると全国的に寒い冬でした。3か月予報では、11月から気温が平年並みに戻る予想です。高温傾向が続く秋から冬になり一変するのか、注目していく必要があります。
» この先3か月の長期予報

参考資料など

気象庁より