【赤ちゃん】何も感じない
蚊の吸血によるかゆみは、花粉症同様一種のアレルギー反応です。蚊は血を吸う時、血液凝固抑制物質などを唾液とともに皮下に注入しますが、私たちの体の中の抗体がこれらを異物として認識し、かゆみというアレルギー反応を起こすのです。
したがって人生で初めて蚊に刺された時は、まだ抗体ができていないので無反応です。また、アフリカや中東に棲む蚊など今まで刺されたことのない種に初めて刺されてもかゆくありません(種によって多少の交叉反応はあります)。
したがって人生で初めて蚊に刺された時は、まだ抗体ができていないので無反応です。また、アフリカや中東に棲む蚊など今まで刺されたことのない種に初めて刺されてもかゆくありません(種によって多少の交叉反応はあります)。
【乳幼児期】刺されてからかゆくなるまで1〜2日かかる
蚊の唾液を異物として認識する抗体ができ始めると、Tリンパ球や白血球の一種であるマクロファージなどが働いて、刺された箇所が腫れ、かゆみを伴う炎症が起こるようになります。これはⅨ型遅延反応と呼ばれますが、まだあまり蚊に刺された経験がない人がなることが特徴で、刺されてからかゆくなるまで1〜2日かかります。
【青年期以降】刺されて3分でかゆくなり、数日後に再びぶり返す
蚊に刺されることが増えると唾液成分に対するIgE抗体が作られるようになります。そして蚊に刺され、その抗体が働くとマスト細胞(肥満細胞)からヒスタミンやプロスタグランジンが分泌され、かゆみが起こるようになります。その間わずか約3分。これをⅠ型即時反応といい、数日後にⅨ型遅延反応がやってきます。
蚊に刺されすぎると何も感じない?
蚊に何度も繰り返し刺されると最終的に、唾液腺成分に特異的なIgG抗体が作られるようになります。このIgG抗体はIgE抗体よりも先に唾液腺タンパク質などに結合するため、アレルギー反応が起きなくなります。減感作、脱感作と呼ばれるものです。
ただしこのIgG抗体は一時的で、しばらく蚊に刺されないでいると抗体価が落ち、またIgE抗体が優勢になってかゆみを感じるようになるのです。
毎年暑くなると蚊に悩まされますが、蚊に刺されてかゆくなるのは、一種の防衛反応と言えます。かゆさをめぐる蚊との攻防がなくなることはないでしょう。
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ただしこのIgG抗体は一時的で、しばらく蚊に刺されないでいると抗体価が落ち、またIgE抗体が優勢になってかゆみを感じるようになるのです。
毎年暑くなると蚊に悩まされますが、蚊に刺されてかゆくなるのは、一種の防衛反応と言えます。かゆさをめぐる蚊との攻防がなくなることはないでしょう。
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参考資料など
『なぜ蚊は人を襲うのか』(嘉糠洋陸・岩波書店)、MUHI「肌トラブル情報館」(https://www.ikedamohando.co.jp/jyouhoukan/)