facebook line twitter mail

今が旬のレンコン、豊富な栄養素を逃がさないための下処理とは

2020/09/10 07:18 ウェザーニュース

色白でころっとした新レンコンが出回る時期になってきました。全国で半分以上の生産量を誇る茨城県では、9月から新物の出荷が始まっています。

レンコンといえば煮物やきんぴらの食材に使う程度、という方も少なくないようですが、実は栄養が豊富な上に、調理次第で変化する食感も楽しめるので、積極的に摂り入れたい野菜だそうです。詳しい話を管理栄養士の柴田聡美さんに伺いました。

女性にうれしい栄養素が豊富

レンコンには、特に女性にうれしい美容や健康に効果がある栄養素がたくさん詰まっており、古くから漢方薬としても重宝されてきたそうです。

「まずカリウムが多く含まれています。カリウムはナトリウムを体外に排出するため高血圧の予防になるほか、体内の塩分や水分を尿として排出する作用があるので、むくみ予防に効果があります。

また、美肌や風邪予防、疲労回復などに効果があると言われるビタミンCも豊富です。しかもレンコンのビタミンCはデンプンで被われているので、加熱しても壊れにくいという性質があるのです。

さらに、不溶性と水溶性の両方の食物繊維も豊富です。不溶性食物繊維は水に溶けないため胃や腸で水分を吸収して膨らみ、大腸まで届いてその働きを活性化します。レンコンの水溶性食物繊維はネバネバして粘着性があるため、食べるとおなかが空きにくく、糖質の吸収を穏やかにするとも言われています」(柴田さん)

栄養素を逃がさないように下処理を

これらの栄養素を調理する際に逃さないようにするにはどうしたらよいのでしょうか。

「レンコンにはタンニンというポリフェノールの一種が含まれているため、切ったまま放置すると黒っぽく変色します。変色を防ぐために酢水に浸けるのですが、浸ける時間が長いと栄養素や旨みも流出してしまいます。また、食感も悪くなるので、浸ける時間は5分以内にし、水を切ったらすぐ調理するようにしましょう。

油との相性が良いので、薄切りにしてごま油で炒めるとシャキシャキしておいしいですし、すりおろしてから丸めて焼けば、モチモチしてお餅のような食感が楽しめます」(柴田さん)

レンコンはふっくらと太くて重みのあるものがみずみずしくおいしいとされています。また両端に節が残っているものの方が鮮度が落ちにくいそうです。店頭で鮮度のよいレンコンを選び、上手に下処理しておいしくいただきましょう。
» ウェザーニュース記事一覧