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台風10号による被害 雨・風・停電の影響は?

2020/09/07 13:59 ウェザーニュース

過去最強クラスと言われた台風10号。実際の接近時には予想よりも勢力が落ちたものの、非常に強い台風として接近しました。

台風10号がもたらした被害をまとめます。

▶風による被害は沿岸中心
▶停電被害は山口県の一部でも
▶雨による被害は比較的軽微
▶当初想定より被害が抑えられた要因は?

15%が「経験したことない暴風」

台風が近かった九州(主に長崎や佐賀)はもちろん、山口県でも「経験したことない暴風」の割合が多くなっています。

風による被害は沿岸中心

ウェザーニュースに届いた被害報告でも、「経験したことない暴風」という回答の割合が高かったエリアで、実際に被害があったと報告されています。
台風に近い長崎県や佐賀県で風が強く、また南風が吹き込んだ高知県や鹿児島県、宮崎県などの沿岸を中心に被害が出ていることがわかります。

▼最大瞬間風速 [6日(日)〜7日(月)10時まで]
1位 野母崎(長崎県) 59.4 m/s
2位 南大東島(沖縄県) 50.7 m/s
3位 鰐浦(長崎県) 48.9 m/s
   佐賀(佐賀県)  41.6 m/s
   佐世保(長崎県) 41.6 m/s

停電被害は山口県の一部でも

停電被害についての調査では、山口県内で「完全に停電した」という報告が見られます。豊後水道を吹き込んだ風によるものと考えられ、地形的な影響が無視できないことがよくわかります。

雨による被害は比較的軽微

危惧された一級河川の氾濫や大規模な浸水被害等の報告はありません。ただ、24時間で500mm近くの雨が降っており、決して雨量が少なかったとは言えません。雨に強い宮崎や高知などが主なエリアだったこともあり、被害自体は軽微なもので収まったのだと言えそうです。

▼24時間雨量 [6日(日)〜7日(月)6時までの最大値]
1位 神門(宮崎県) 522.5 mm
2位 えびの(宮崎県) 477.5 mm
3位 椎葉(宮崎県) 439.0 mm

当初想定より被害が抑えられた要因は?

■台風の勢力が落ちた
日本の南海上を進む台風の目が崩れ、二重化したことで一度勢力がダウンしました。その後、台風の進路にあたる九州近海の海水温が予想時に比べて低くなったため、接近時の台風の勢力は当初想定されたものよりも下がった状態となりました。そのため、影響も抑えられたと推測されます。

■河川が溢れなかった
接近前日時点で、一級河川の氾濫も危惧されるなど、河川氾濫による浸水被害等が懸念されていました。しかし、ダムの放流を事前に行うなど社会インフラによる対策の成果もあり、河川氾濫には至りませんでした。

■対策・避難に対する意識
想定より弱かったとは言え、接近時には945hPa、最大瞬間風速60m/sと多くの被害が出てもおかしくない台風でした。しかし、被害が最小に抑えられているのは、社会全体が対策および事前の避難等の準備をしっかりと行えていたことも大きな要因と考えられます。

過去の災害から学び未来に繋げていくことが、減災のあるべき姿と言えるかもしれません。

また、台風の接近が多くの人の生活時間帯ではなく夜中だったことも、被害が少なかった理由として挙げられます。

#減災リポート で情報を集めています

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参考資料など

写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)
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かばねささん