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台風10号は915hPa、猛烈な勢力まで発達
上陸せずとも甚大な災害のおそれ

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2020/09/03 10:16 ウェザーニュース

9月3日(木)9時現在、台風10号(ハイシェン)は日本の南の海上を、急速に発達しながら西よりに進んでいます。

海面水温が記録的に高い上、上空の風などの発達の条件が揃っており、4日(金)には「非常に強い」勢力、5日(土)には「猛烈な」勢力になる見込みです。奄美に近づく6日(日)が発達のピークで中心気圧は915hPaの予想。7日(月)にかけて勢力をあまり落とさず九州に接近するおそれがあります。

接近時の勢力は過去最強クラスで、特別警報の発表基準に達するほどです。これだけの勢力で近づけば上陸しなくても、甚大な被害につながる危険性があります。最悪のケースを想定して極力早めに台風への備えを行うようにしてください。

▼台風10号 9月3日(木)9時
 存在地域   日本の南
 大きさ階級  //
 強さ階級   強い
 移動     西 20 km/h
 中心気圧   970 hPa
 最大風速   35 m/s (中心付近)
 最大瞬間風速 50 m/s
>>最新の台風情報

九州を中心に記録的な暴風に警戒

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台風の進行方向と風の関係
台風10号は予報円の中心を通った場合、九州のすぐ西を通過することになります。接近時も中心付近の最大瞬間風速が70m/sの非常に強い勢力を予想しています。

一般に台風は進行方向の右側(10号の進路では東側)で風が強まる傾向があり、上陸しない場合でも九州では記録的な暴風となるおそれがあります。

九州の本土で最大瞬間風速60m/sを観測したのは、1945年の鹿児島県枕崎市(62.7m/s:枕崎台風)、2004年の雲仙市・雲仙岳(63.7m/s:台風23号)、1999年の熊本県天草市・牛深(66.2m/s:台風18号)など数えるほどしかありません。

過去に経験したことがない暴風に見舞われ、大規模な停電や建物の倒壊などの危険性がありますので、早めに対策や避難を検討してください。
>>台風10号による各地への詳しい影響予測

進路によっては顕著な高潮のおそれも

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高潮のメカニズム
接近時の中心気圧が非常に低いことで、高潮も危険です。気圧の低下による吸い上げ効果と、暴風による吹き寄せ効果が重なった場合は、記録的な高さの潮位になってもおかしくありません。

顕著な高潮は高波と違い、海の水が大量に陸地に押し寄せ、津波のような影響が出ます。九州では1999年の台風18号により熊本県で多くの方が亡くなる高潮被害を経験しています。

台風の中心が近くを通るほど、高潮の影響が大きくなりますので、必ず最新の予想進路を確認してください。

甚大な被害発生のおそれ 出来る備えは一刻も早く

飛ばされやすい物を片付けるなどの対策や、非常持ち出し袋の中身の確認、必要な備品などの購入は、早い段階で行うことをおすすめします。

ただし、商品の数には限りがあるので、無駄な買い占めは行わず、本当に必要な物を必要な数だけ購入するようにしてください。

台風が近づくと外に出るのが困難になることが考えられます。必要なものの買い出しや家の外の対策は、台風接近前に行ってください。また、避難を行う場合も出来るだけ早めに判断する必要があります。

台風の名前

台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。

台風10号の名前「ハイシェン(Haishen / 海神)」は中国が提案した名称で、文字通り海の神という意味です。
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