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体感温度を4℃下げる!? ペパーミントの香りで酷暑を乗り切ろう!

2020/08/25 14:00 ウェザーニュース

8月も終盤だというのに、まだまだ35℃近い暑さが予想されています。そんな厳しい暑さを和らげるのに、ペパーミントが効果的だと知っていましたか?

ペパーミントは体感温度を4℃下げる

以前、化粧品メーカーの資生堂によって面白い実験結果が発表されました。それによると、ペパーミントの香りには、私たちの体感温度を4℃下げる効果がある、というのです。

実験では、いろいろなシチュエーションで水槽に手を入れてもらい、その温冷感を被験者に評価してもらいました。すると、無香の状態で28℃の水に手を入れた場合と、それよりも4℃高い32℃の水に、ペパーミントの香りを嗅ぎながら手を入れた場合とで、同じ「やや温かい」という回答が得られたそうです。

つまり、ペパーミントの香りを嗅ぐことで、水温が本来の温度よりも4℃低く感じられた、というわけです。また、ペパーミントの香りについて、約7割から「非常に冷たい」「冷たい」という回答が得られたといいます。

メントールで脳が「冷たい」と錯覚

こうしたペパーミントの「涼感効果」に大きな役割を果たしているのが、その主成分である「l-メントール」です。これは、「ひんやり感」が売りのボディローションやヘアケア製品、汗ふきシートなどにお馴染のあの「メントール」のことです。

私たちの体の中には、低温を感じ取る「冷感受容体」というものが存在します。この受容体が活性化することで、「冷たい」という情報が脳に伝えられ、脳は「冷たい」と感じます。

この受容体は、実際に冷たいものに触れたときだけでなく、メントールでも活性化することが明らかになっています。そのため、メントールの成分を含むものを食べたり、飲んだり、嗅いだりすると、私たちの脳は「冷たい」を錯覚し、冷たいものに触れたのと似たような感覚になるのです。

ちなみに、日本では「ハッカ(薄荷)」という言葉もしばしば使われますが、これは「ミント」の日本語です。和種ハッカは、ミント類の中でも、l-メントールの含有量がずば抜けて多いといわれています。

ペパーミントで「ひんやり感」を味わう

では、このひんやり効果抜群のメントールを、暑さ対策としてどう活用していけばいいのでしょうか。

まずお勧めは、ペパーミントやハッカの精油が入ったスプレーの活用です。最近は、いろいろ市販されていますので、そうしたものを購入すると気軽に取り入れられます。
 
シューッとひと吹き、ふた吹きすることで、部屋全体にメントールの香りが漂い、だいぶ暑さがしのげるはずです。

オフィスなど、スプレーが使いづらい場所であれば、ティッシュペーパーやハンカチ、あるいはアロマストーンなどを使いましょう。ペパーミントや和種ハッカの精油を購入し、それらに1~2滴垂らし、自分の机に置いておけば、さほどまわりを気にせず、メントールの冷涼感を味わえます。

その他、ミントティーやミント入りの食べ物などを、飲んだり食べたりするのもいいでしょう。鼻や舌でメントールのひんやり感を感じることで、「暑い」という感覚もだいぶやわらぐのではないでしょうか。

ミント系の精油は、皮膚に付かないように注意!

ただし、ペパーミントや和種ハッカの精油は、妊娠中や授乳中の人、乳幼児については使用ができません。また、どちらも皮膚や粘膜への刺激が強いので、原液が皮膚や目につかないように気をつけましょう。万が一、誤って原液が皮膚や目についてしまった場合は、しっかり水で洗い流します。

その他、これらの精油は布や家具類につくとシミになる可能性があるで、スプレーとして使うときにはかからないように注意が必要です。ハンカチ等に垂らすときは、シミになってもいいものを使いましょう。
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参考資料など

公益社団法人日本アロマ環境協会(https://www.aromakankyo.or.jp/)