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熱中症の予防には「水+塩」よりも「水+梅干し」が効果的!?

2020/08/27 06:03 ウェザーニュース

今年の夏も猛烈な暑さが続き、熱中症で救急搬送、というニュースが相次いでいます。熱中症予防には水分と塩分を摂ることが重要ということは知っていますが、塩分は梅干しで摂るとよいという話があるそうです。

「水+梅干し」の方が効果が高いという結果が

「熱中症の原因の一つは汗をかいた時に水分と塩分などのミネラルが失われることです。つまり、熱中症を防ぐには、塩分摂取が不可欠なのです」と話すのは和歌山県立医科大学准教授の宇都宮洋才先生です。

では、どのように摂ればより効果的なのでしょうか。

「『水』『水+塩』『水+梅干し』をラットに与え、37℃の環境下で活動量の違いを見る実験をしたところ、40分間は『水+梅干し』のラットがもっとも活動量が多いという結果が出ました。40分後は『水』、『水+塩』と同様に活動量が少なくなりましたが、これらのラットを室温に戻したところ、活動量がもっとも早く復活したのは『水+梅干し』のラットでした」(宇都宮先生)

梅の抗酸化作用が酸化ストレスを軽減する?

生物の体内の活性酸素の過剰な産生は、細胞を傷害し、さまざまな疾患をもたらすとされています。

「この活性酸素の傷害から生体を防御する抗酸化防御システムが生物には備わっていますが、この防御システムより活性酸素の産生が上回ってしまうと『酸化ストレス』という状態が発生します。

暑さによって体温が上昇すると、上がった体温を下げようとするために血管が広がったり、汗をかくなどしてエネルギーが消費されます。その際に活性酸素が発生し、身体が酸化して『酸化ストレス』を引き起こし、ダメージを与えます。

ラットの実験では、グラフにあるように、抗酸化防御システムの一つ、SOD(活性酸素を除去する酵素)が『水+梅干し』でもっとも活性化していることから、梅干しが持つ抗酸化作用にこの『酸化ストレス』を軽減する働きがあるのではないかと考えられています」(宇都宮先生)

ミネラルや疲労回復効果のあるクエン酸が含まれる梅と適度な塩分により、熱中症予防に有効な梅干し。まだまだ暑い日は続きますが、水分と塩分を上手に摂って熱中症予防を心がけましょう。

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