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エアコンを使いながら上手に換気をする3つのポイント

2020/08/21 06:05 ウェザーニュース

体温を上回るほどの「命に関わる危険な暑さ」が続き、熱中症への厳重な警戒が呼びかけられています。
新型コロナウイルス対策で外出を自粛している人も多く、住宅用エアコンはまさにフル回転状態。しかし、エアコンの使用時には適切な温度の維持に加え、換気が必須です。

エアコンを使いながら上手に換気をするにはどうしたらよいのか、ダイキン工業コーポレートコミュニケーション室広報グループの重政周之(しげまさ・ちかし)さんに伺いました。

換気時はエアコンから離れた窓

「エアコンが換気をしていると誤って認識されているケースも多いのですが、ほとんどのエアコンは換気をすることができません。部屋の暖かい空気を吸い込んで、機器の内部で熱交換を行い、冷たい空気にして部屋に戻し、室温を下げているだけです。部屋の中の空気と外の空気を入れ換えてはいないのです」(重政さん)

エアコン使用中の締め切った部屋では換気できず、ウイルスなどの汚染物質がたまりやすくなっています。しかし、酷暑のなかでエアコンのスイッチを切って換気をした場合、室温の上昇はまぬかれません。エアコンを作動させながら換気するには、3つのポイントがあるそうです。

1.帰宅時はエアコンONの前に熱を外に
「まず、帰宅時です。外から帰ってきたら、エアコンの電源を入れる前に、部屋にこもった暑い空気を換気によって外に出してください。そうすると、すばやく効率的に部屋を冷やすことができます。

2.換気時に設定温度を下げる
次に、熱中症への注意が必要となります。実は、熱中症の発生場所別の救急搬送人数をみると、住居が37%(2017年度)と最も多くなっているのです。酷暑の日に窓開け換気をすると、外の暑い空気が入り部屋の温度が上がりやすくなります。換気の際に『暑いな』と感じたら、エアコンの設定温度を少し低めにして、換気したら窓を閉めて温度設定を戻してください。

3.換気時はエアコンから離れた窓を開ける
最後に、換気時にはエアコンから離れた窓を開けることを心がけてください。外から入ってくる温度の高い空気を直接吸い込むとエアコンに高い負荷がかかり、熱交換の効率が悪くなります。また、離れた窓を開けることで、温度が高い空気を急激に冷やした際に、エアコンの吹き出し口などに結露が発生するのを防ぐことができます」(重政さん)

空気の通り道をつくると効果的

換気時にはさらにいくつかの注意点があるそうです。

「自宅やマンションが2003年7月以降に建てられたものであれば、必ず換気口と24時間換気システムが取り付けられているはずです。しかし、それが正しく使われていないことが本当に多いのです。換気システムをきちんと正しく使ってください」(重政さん)

外から空気が入ってきて暑いという理由で、換気口を閉じたり24時間換気システムのスイッチをオフにしたりすると、せっかくのシステムが本来の役割を果たすことができず、知らず知らずのうちに室内の空気に汚染物質がたまってしまうそうです。

「さらに、窓は1か所だけでなく2か所を開けて空気の通り道をつくります。2つの窓が遠くの対角線上にあると、さらに効率的です。1か所しかない場合は部屋のドアを開けて、扇風機などを窓の外に向けて設置し、風の流れをつくると効果的です。窓がない部屋ではドアを開け、室内に扇風機などを置いて外へ空気が流れるようにしましょう。

住宅の換気扇のなかでも排気量がとくに大きい台所の換気扇を運転することで、換気のアシストができます。エアコンをつけながらの換気時、窓開けと換気扇の併用はおすすめです」(重政さん)

窓を開けて換気する際の目安は、1時間に5~10分程度とされています。また、1時間に10分の換気よりも、30分ごとに5分の換気をした方が換気の効果は高くなります。

新型コロナウイルスの感染者が減らないなか、熱中症にも気をつけながら、エアコン作動時には上手な換気を行いましょう。

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