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沖縄や西日本のPM2.5濃度上昇、西之島の火山ガス(二酸化硫黄等)が原因か

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2020/08/05 16:16 ウェザーニュース

小笠原諸島の西之島では活発な火山活動が続いています。

そんな中、沖縄や西日本の各地ではここ数日空が霞んでいる状況が続いています。その主たる原因は、西之島から噴出した火山ガス(二酸化硫黄等)が光学反応して二次生成されたPM2.5である可能性があります。固体の火山灰よりも遠方まで影響している模様です。

火山ガスによるPM2.5の二次生成か

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大気汚染の少なさを示す指数(CII)
西日本では8月2日(日)頃から空気のきれいさを示す指数(CII)の数値が低下していて、実際に空が霞んで見えるとの声が多く届いています。PM2.5や二酸化硫黄の濃度の高まりによるものとみられます。

PM2.5とは、大気中に浮遊している小さな粒子のうち、2.5マイクロメートル以下の小さな粒子のことです。

人工衛星からの観測を元にした解析によると、活発な火山活動が続く西之島からは火山灰や二酸化硫黄などの火山ガスが連続して噴出していて、太平洋高気圧の縁辺に沿って沖縄から九州など西日本に流入している模様です。

二酸化硫黄などの火山ガスは強い日射で光化学反応を起こしPM2.5(硫酸塩等)を二次生成することがあり、大気中のPM2.5の濃度が上昇しているものと考えられます。

粒子の細かい火山灰(固体の噴出物)を含む可能性もありますが、ほとんどの火山灰は海上で落下している可能性が高いものとみられます。気体である火山ガスは、より遠方まで影響をもたらしている模様です。
» ウェザーニュース 火山情報

沖縄では注意喚起レベルに

今日は特に沖縄や西日本の日本海側、東北地方などでPM2.5の濃度が高くなっています。

PM2.5の環境基準は、1日平均値が35マイクログラム毎立方メートル以下と定められています。沖縄では1時間平均値が70マイクログラム毎立方メートルに達していて、注意を要する状況です。

呼吸器系・循環器系の疾患のある方は、外出を控えて屋内に留まり、窓の開閉を最小限に留めるなどの対策を行うようにしてください。
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参考資料など

解析画像:NASA WORLDVIEW

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