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8月1日は「水の日」 災害時やアウトドアに!ペットボトル簡易蛇口

2020/08/01 05:46 ウェザーニュース

今日8月1日は「水の日」。水資源の貴重さなどについて理解を深めてもらおうと、国が2014年に公布・施行した水循環基本法により定められています。とくに今年は水害などによる避難生活や断水などが多発し、水がない暮らしの不自由さを実体験した人も増えています。

断水時の必需品といえるのが、ペットボトルです。あらかじめ汲み置いたり、給水車から供給された貴重な水を節約するためにはどうしたらいいのか、警視庁警備部災害対策課が2018年に公式Twitterで公開して話題になった、ペットボトルによる「簡易蛇口」を紹介します。

飲料水にも生活用水にも貴重な水の節約に有効

「水は飲料用としてだけでなく、手や物を洗う生活用水としても利用されます。ペットボトルの水をそのままキャップ部分から使用するとかなりの水量を消費してしまい、また一人ですと片手ずつしか洗えません」(警視庁警備部災害対策課)

そこで有効なのが、ペットボトルで作る簡易蛇口です。
「まず、ペットボトルの下のほうに直径2~3ミリほどの穴を開けます。穴を押さえながらペットボトルに水を入れ、キャップを閉めてふたをします。ペットボトルを台などの上に置き、穴をふさいでいた指を離します。この時、指を離しても水は漏れません」(警視庁警備部災害対策課)

穴から水が漏れてこないのは、水圧と大気圧の関係です。小さな穴だと、穴から出ようとする水の圧力と、穴からペットボトルの中に入り込もうとする空気の圧力とが押し合って、ともに動きが取れなくなってしまうのです。そのため、指を離しても水は漏れてきません。

水圧と大気圧の関係でキャップを緩めると水が出る

「使う時はキャップを緩めます。キャップを緩めると穴から適量の水が出てきますので、手が洗えます。使い終わったら、キャップを閉めれば水は止まります」(警視庁警備部災害対策課)

まさに水道の「蛇口」と同じ働きを、ペットボトル本体とキャップが務めてくれるのです。ペットボトルのふたを緩めると、水面に大気圧(内圧)がかかって水圧に加わり、ペットボトル内部の圧力が外部の大気圧より大きくなって、穴から適量の水が出るようになるのです。

「使用しない時は、穴を上に向けてペットボトルを横にすれば、完全に水漏れを防ぐことができます。簡単にできて、アウトドアなどでも利用できますので、ぜひ試してみてください。

水道水は塩素の効果で雑菌などの繁殖を抑え、常温で3日、冷蔵庫で10日程度(飲用)保存できます。また浄水器を通した水や白湯(さゆ)は塩素の効果が弱まるため、長期保存(飲用)には不向きです。災害時の飲用水は長期保存が可能な市販のもの、生活用水は水道水の汲み置きを利用するなど、備蓄の参考にしてください」(警視庁警備部災害対策課)

水循環基本法では、8月1日から7日までの1週間を、「水の週間」とも定めています。この機会にペットボトルの「簡易蛇口」を試して、水の大切さについて改めて考えてみてはいかがでしょうか。
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参考資料など

警視庁HP「ペットボトルで作る簡易蛇口」(https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/smph/kurashi/saigai/yakudachi/mamechishiki/1065017725183881216.html)、「水道水、意外と保存が可能です」(https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/smph/kurashi/saigai/yakudachi/mamechishiki/1240038460385157120.html)