太平洋高気圧が強く、フィリピン付近で積乱雲群が発達しにくく
今月これまでに台風の発生がない理由として考えられるのが、例年よりも西側に強まっている太平洋高気圧の存在です。勢力の強い高気圧のもとでは積乱雲の発達が抑えられることで、台風のふるさとでは熱帯低気圧や台風が発生しづらくなっているものとみられます。
その原因のひとつとして、インド洋全体の海面水温が平年より高いことが挙げられます。気象庁の解析では、この春のインド洋熱帯域の平均海面水温は、2016年以来の高い水準でした。
インド洋では雲の発生・発達が起こりやすい状況で、その反動で相対的にフィリピン付近の北西太平洋では下降気流が強まり、太平洋高気圧が普段よりも西側にも張り出すことに繋がっているものとみられます。
この現象は「インド洋キャパシタ」と呼ばれることがあり、エルニーニョの収束から少し遅れて発生することがあるといわれます。
その原因のひとつとして、インド洋全体の海面水温が平年より高いことが挙げられます。気象庁の解析では、この春のインド洋熱帯域の平均海面水温は、2016年以来の高い水準でした。
インド洋では雲の発生・発達が起こりやすい状況で、その反動で相対的にフィリピン付近の北西太平洋では下降気流が強まり、太平洋高気圧が普段よりも西側にも張り出すことに繋がっているものとみられます。
この現象は「インド洋キャパシタ」と呼ばれることがあり、エルニーニョの収束から少し遅れて発生することがあるといわれます。
7月豪雨の原因とも相関か
このことは、今月西日本などに災害をもたらした令和2年7月豪雨とも関連がある可能性があります。
太平洋高気圧の周囲をまわってフィリピン海方面からやってくる暖かく湿った空気の流れが強まり、さらに梅雨前線に沿って西から流れてくるインドモンスーンの暖かく湿った空気の流れと合流し、南西から大量の水蒸気を送り込んだことで、次々に雨雲を発達させる非常に危険な状況を作り出したとみられます。
太平洋高気圧の周囲をまわってフィリピン海方面からやってくる暖かく湿った空気の流れが強まり、さらに梅雨前線に沿って西から流れてくるインドモンスーンの暖かく湿った空気の流れと合流し、南西から大量の水蒸気を送り込んだことで、次々に雨雲を発達させる非常に危険な状況を作り出したとみられます。
月末にかけても台風発生の可能性は低い
ウェザーニュースのグローバルストームセンターの予測では、7月末までに北西太平洋で台風が発生する可能性は低いとみられ、統計史上初の台風のない7月になる可能性が高まっています。
ただ、フィリピン近海で晴天が続き海面水温が上昇すると気象環境が変化する可能性もあるので、今後の変化に注意が必要です。
ただ、フィリピン近海で晴天が続き海面水温が上昇すると気象環境が変化する可能性もあるので、今後の変化に注意が必要です。
月末にハリケーン「ダグラス」越境の可能性は否定出来ず
カテゴリ1のハリケーン「ダグラス」がハワイ諸島に接近中です。ダグラスはハワイ周辺で勢力を落としてトロピカルストーム(熱帯暴風雨)に変わり、その後も月末にかけて西北西に進む見通しです。
もし一定の勢力以上を保って西経180度を越えた場合、気象庁の監視領域に入ることで「台風」ダグラスとなります。
現時点のウェザーニュースの予測では、この熱帯低気圧が180度経線を越えるのは7月30日(木)から31日(金)頃で、西経域で勢力を落とすため「台風」と解析される可能性はさほど高くはないと見ています。台風になったとしても日本への影響はない見通しです。
いわゆる「越境台風」は数年に一度あり、もし西経域から進んできた熱帯低気圧が台風となった場合は、2018年の台風17号ヘクター以来で約2年ぶりとなります。
» 関連記事ハリケーン「ダグラス」ハワイに接近 ホノルルにハリケーン警報
もし一定の勢力以上を保って西経180度を越えた場合、気象庁の監視領域に入ることで「台風」ダグラスとなります。
現時点のウェザーニュースの予測では、この熱帯低気圧が180度経線を越えるのは7月30日(木)から31日(金)頃で、西経域で勢力を落とすため「台風」と解析される可能性はさほど高くはないと見ています。台風になったとしても日本への影響はない見通しです。
いわゆる「越境台風」は数年に一度あり、もし西経域から進んできた熱帯低気圧が台風となった場合は、2018年の台風17号ヘクター以来で約2年ぶりとなります。
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