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「夏バテ第2波」に要注意!? 対策のポイントは“汗”

2020/07/20 05:24 ウェザーニュース

ひと昔前まで夏バテが起こりやすくなるのは、夏の盛りを過ぎたお盆明け頃といわれていました。しかし、最近は梅雨明け直後や、さらには梅雨入り前の5月にも厳しい暑さに見舞われることが増え、夏バテの症状を早くから感じる人が増えているようです。

「夏バテ」には「第2波」がある!?

キーワード検索回数の推移を示す「Googleトレンド」では、昨年(2019年)は本格的な梅雨入り前の5月下旬〜6月上旬にかけて「夏バテ」ワードの検索回数が上昇し、「夏バテ」の最初の波がきます。その後、6月中旬から7月中旬の梅雨の間はいったん落ち着きますが、7月中旬過ぎから急上し、8月上旬にかけて「夏バテ第2波」のピークを迎えました。

今年も同じように6月上旬に第1波がありましたが、梅雨に入ってからは暑さも落ち着いています。しかし、梅雨明け後は一気に暑くなることが予想されており、梅雨明け直後の「夏バテ第2波」に警戒する必要がありそうです。

体が重だるい、頭がボーッとする、食欲が失せる、下痢や便秘をするといった夏バテ。どうすれば夏バテを防げるのでしょうか。

原因は自律神経の乱れ

「夏バテは自律神経の乱れが原因です。人の体は暑くなれば汗をかいたり血管を広げて体温を下げようとしますが、それは自律神経の働きです。しかし、自律神経が乱れるとそれができず、熱がこもり体調を崩してしまう。それが夏バテなのです」と言うのは、ウェザーニューズ気象病顧問アドバイザー・愛知医科大学客員教授・中部大学教授で医師の佐藤純先生です。

佐藤先生によると、今年は気温が上がる時期に外出自粛や在宅勤務を続けたため、自律神経が十分に働かず、暑くても汗をかかない人が増えていると言います。

今年は夏バテになりやすい

熱中症で救急搬送された人数を総務省消防庁が発表しています。今年は6月1日〜7月12日の6週間に全国で7884人が搬送されましたが、昨年の同時期(5881人)を34%上回っています。

「熱中症は急性症状、夏バテは慢性症状と考えれば、今年は自律神経の働きが追いつかず、早いうちに夏バテしたり、また夏バテで体調を崩す人が増えると思われます。梅雨明け後は一気に暑くなることが予想されており、寒暖差を感じやすくなるので今後も要注意です」(佐藤先生)

乱れた自律神経の整え方

自律神経が乱れたり働きが悪かったらどうすればよいのでしょうか。

「暑さに対応できる体にすることです。ポイントは汗をかける体です。さらさらした汗をかけるようになるまでウォーキングやストレッチ、余裕があれば軽いジョギングを続けてください。外出自粛などで太った人は減量も兼ねて頑張ってください」(佐藤先生)

足腰が弱くて運動が苦手という人はどうしたらよいのでしょうか。

「運動できない人はお風呂に浸かってください。38〜40℃のぬるま湯に、うっすら汗をかくまで10分ほど浸かります。運動でもお風呂でも2週間続ければ汗をかける体になるはずです」(佐藤先生)

夏バテを防ぐ生活習慣

食事や睡眠など生活習慣も夏バテを防ぐために大切です。

「夏は冷たいものを欲しくなりますが我慢して、食事も飲み物も温かいものを摂ってください。外出するときは、20分前に冷房を止めれば寒暖差を抑えられます。夜はエアコンを使っても睡眠不足になりがちなので、できれば20分ほどの昼寝で補います」(佐藤先生)

「日傘」で社会的距離をとれる

今年は新型コロナ感染拡大防止でマスク着用が求められていますが、マスクは熱中症や夏バテのリスクを高めます。

「電車やエレベーターではマスクが必要ですが、気温や湿度が高いなかでは、周りの人と距離がとれるようならマスクを外すことも選択してください。私は一昨年に“日傘男子デビュー”しましたが、日傘をさせば体感温度が下がり、マスクから解放され、一挙両得です」(佐藤先生)

今年はいつもと違う夏だからこそ、早めの対策をして、夏バテや熱中症を乗り切りましょう。

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