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“梅雨だる”“夏バテ”解消に!? らっきょうが持つ4つの薬膳効果とは

2020/07/13 09:23 ウェザーニュース

今が旬のらっきょう。『畑の薬』とも呼ばれ、漢方薬の材料にもなる薬効があることをご存知ですか? 湿度が高い梅雨どきの不調や、これから本格的な夏を迎えると心配される夏バテの予防にらっきょうが効くワケを国際中医薬膳師で源保堂鍼灸院(東京都渋谷区)の瀬戸佳子先生が教えてくれます。

「水毒」が夏バテを招く

「梅雨から夏にかけては、空気の湿度が高くなりますが、体もその影響を受けて水分代謝が滞(とどこお)りがちになります。胃腸に水分がたまると胃腸が冷えたり、食欲が落ちて夏バテが起こりやすくなります。また、うまく水分が排泄(はいせつ)できない場合は下痢になったりします」(瀬戸先生)

夏は脱水状態になって熱中症を起こさないよう適度に水分補給をする必要がありますが、冷房が効いた屋内で冷たい飲みものをとりすぎることによって水分代謝がうまくいかない人が少なくありません。

「体の水分代謝が滞ると、むくみはもちろん、身体や頭が重たくなったり、頭痛やめまいなども起こります。体に悪影響がある水分を東洋医学では“水毒”と言いますが、そういう人は水に濡れた服を着ているように体も冷えやすくなります」(瀬戸先生)

水分代謝の停滞に加えて、屋外と屋内の寒暖差、冷房による冷え性などが現代版の夏バテを招いているというのです。

らっきょうが“水毒”を解消してくれる

「らっきょうの薬膳効果に散結(さんけつ)といって滞った水分代謝を解消する働き、通陽(つうよう)といって体を温める作用があります。つまり、水毒を解消し、体の冷えを改善してくれるのです」(瀬戸先生)

弱った胃腸を活性化する薬膳効果もあるといいます。

「らっきょうは、さらに消食(しょうしょく)といって消化を促す働き、寛中(かんちゅう)といってお腹の働きを正常化させる効能も知られています。食欲不振など夏場に起こりがちな胃腸の不調を改善したり、お通じを良くする作用もあるのです」(瀬戸先生)

酢漬けにして食べるとダブル効果

らっきょうは酢漬けにして食べることが多いですが、江戸時代には酢醤油に漬けて食べていたそうです。

「貝原益軒の『大和本草(やまとほんぞう)』に、らっきょうを酢醤油に漬けて食べると良い、と書かれています。酢はらっきょうと同じく血流を良くし、食欲を増進させる効果があります。甘酢も酢醤油も、らっきょうと酢の両方の効果が得られて効果的です。市販のらっきょう漬けもよいのですが、この時期ならではの旬のらっきょうを買ってきて家庭で漬けてみてはいかがでしょうか」(瀬戸先生)

らっきょうの甘酢漬けは、3日~1週間漬ければ美味しく食べられるそうです。ぜひらっきょうを食べて“梅雨だる”や“夏バテ”に負けない体づくりをしてください。

ただし、らっきょうには体を温める作用があるので熱がある人、暑がりの人、また辛味が強いので胃腸が弱い人は、あまりたくさん食べないようにしてください。
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