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九州の記録的大雨 多量の水蒸気で線状降水帯を形成

2020/07/04 13:50 ウェザーニュース

昨夜から4日(土)早朝にかけて、熊本県を中心とする九州では記録的な大雨となりました。球磨川が広域で大規模に氾濫し、土砂災害による被害も発生しています。

九州の大雨メカニズムは?

梅雨前線の南側には多量の水蒸気が流入し、その北端付近に位置する収束帯に沿って雨雲が発達しやすくなりました。雨雲レーダーの画像でも赤く表示される非常に発達した雨雲が、熊本県に向かって東に長く伸びる様子が示されています。

さらに天草周辺では「バックビルディング型」の線状降水帯も形成され、特に発達した雨雲が集中したと見られます。
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3時間で200mm超の猛烈な雨

こうした線状降水帯の下では、3時間前後に渡って猛烈な雨が降りました。熊本県天草市・牛深では3時45分までの1時間に98.0mm、4時10分までの3時間に205.5mmの観測史上1位の雨を観測するなど、文字通り集中的な豪雨となり、河川の氾濫や土砂災害の頻発につながっています。

特別警報は11時50分に警報に切り替わったものの、依然として土砂災害の危険度は高く、河川の水位は高い状態です。雨が落ち着いた後に新たな災害が発生することもありますので、しばらくは厳重な警戒を続けてください。

また、週明けも梅雨前線が停滞するため、西日本では同様の線状降水帯が発生してもおかしくありません。今後の情報にも注意が必要です。
» 現在の土砂災害危険度を確認

参考資料など

写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)
てつさんさん