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ダブル高気圧で高温傾向の夏、暑さのピークは8月

ウェザーニューズ「猛暑見解2020」

2020/06/30 11:42 ウェザーニュース

今年2020年の夏の暑さはどうなるのか、詳しく解説します。

■ 猛暑見解のポイント ■

・平年より暑い夏、ピークは8月
・“ダブル高気圧”出現の可能性も

平年より暑い夏、ピークは8月

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今年の7月〜9月の気温は、西・東日本で平年より高く、北日本と沖縄では平年並〜高い予想です。

7月上旬には太平洋高気圧が北に勢力を拡大して九州を覆い始め、本州付近に停滞していた梅雨前線は7月中旬にかけて日本海から東北付近まで北上する見込みです。

梅雨明け後、今年の夏は全国的に平年より気温が高く、 西日本や東日本を中心に厳しい暑さとなります。

8月は日本の上空で高気圧の勢力が強まり、広範囲で暑さのピークとなる予想です。

9月に入っても高温傾向は続き、お彼岸の頃までは残暑が厳しくなりそうです。

こまめな水分補給や適切なマスクの付け外し、充分な休憩や換気など、体調管理に充分ご注意ください。
〔リンク〕エリアごとの詳しい見解

この暑さの鍵となるのが、太平洋高気圧とチベット高気圧です。

“ダブル高気圧”出現の可能性も

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今夏の気圧配置の特徴
太平洋高気圧とチベット高気圧は広がる高度が違うため、チベット高気圧が日本付近まで張り出すと、上空で重なり合って“ダブル高気圧”となり、二つの高気圧が非常に背の高い一つの高気圧のようになって厳しい暑さをもたらします。

35℃以上の猛暑日が続いたり、フェーン現象が起こりやすい場所では40℃前後の酷暑になることもあります。

その後、9月にかけても暖かな空気が流れ込みやすく、秋の彼岸の頃までは残暑が厳しい見通しです。

太平洋高気圧は8月以降日本付近への張り出しが強まる

7月はフィリピン付近での対流活動が本格化しない影響で、太平洋高気圧の勢力は安定しません。

8月になると、フィリピンの北で対流活動が活発になるため、日本付近では下降流が強まり、太平洋高気圧の勢力が強まります。

また、上空を流れるジェット気流が平年よりも北を流れる影響で、西日本や東日本には南から暖気が入りやすく、太平洋高気圧が日本付近に張り出してくる見込みです。

チベット高気圧は日本付近への張り出しがやや強まる

今夏はチベット高気圧の日本付近への張り出しが平年並〜やや強い見込みです。

チベット高気圧とは、北半球の夏季にチベット付近を中心に広範囲に広がる上空の高い所にある高気圧です。

太平洋高気圧とチベット高気圧は広がる高度が違うため、チベット高気圧が日本付近まで張り出すと、上空で重なり合って“ダブル高気圧”となります。そうなることで、二つの高気圧が非常に背の高い一つの高気圧のようになり、厳しい暑さをもたらします。

今夏はこの二つの高気圧の張り出しが重なったタイミングで“猛暑”となる予想です。

今年と特徴が似ている2013年の夏は、北日本を除くエリアで気温がかなり高く、高知県江川崎で最高気温41.0℃を記録するなど西日本で記録的な猛暑となりました。今年も、二つの高気圧が重なりやすい西日本を中心に顕著な高温となる時期がありそうです。
〔リンク〕エリアごとの詳しい見解

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