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夏が旬のキュウリ カリウムがむくんだ体に効果的

2020/06/27 05:18 ウェザーニュース

ハウス栽培が普及したため、キュウリは今では年中食べられるようになりました。しかし本来、キュウリは夏が旬の野菜です。水分が95%以上も含まれるキュウリは、夏の水分補給にもってこいの食べ物です。でも、キュウリの健康パワーはそれだけではありません。

むくんだ体にキュウリが効く!?

まず注目したいのは、カリウムを比較的多く含む点です。カリウムの働きの一つに、ナトリウムを体外に排出することが挙げられます。利尿作用もあり、腎臓の機能を支えるため、体のむくみやだるさを解消する効果を期待できます。

夏は体がむくんだり、だるくなったりしがちです。特に今年の前半は、新型コロナウイルスの影響で、外出を自粛せざるを得ないことが多かったため、むくみやだるさを感じている人が多いかもしれません。そういう人にも、カリウムを含むキュウリは頼りになる食べ物といえそうです。

キュウリに含まれている意外な成分

皮を中心に、キュウリにはβ-カロテンも多く含まれています。β-カロテンには強い抗酸化作用があるので、体内の細胞を健やかに、若々しく保つ効果が期待できます。

また、皮の部分に含まれる苦み成分のククルビタシンには、抗がん作用が期待できることもわかっています。

ただし、まれにある、非常に苦いキュウリには、ククルビタシンが過度に含まれている可能性があります。通常より明らかに苦いキュウリを食べると、唇のしびれや吐き気などの症状が起こることがあるので、そうしたキュウリは食べないほうがよいでしょう。

キュウリを「青臭い食べ物だな」と思っている人もいるでしょう。キュウリのこの青臭さは、ピラジンという成分によるものです。このピラジンには、血液をさらさらにする効果があると考えられています。

ぬか漬けで健康効果が大幅アップ

キュウリは生でそのまま食べられる野菜ですが、ぬか漬けにして食べると、栄養価はいっそう高まります。ぬかに含まれるビタミンB1やビタミンB6がキュウリに浸透し、さらに乳酸菌も作用して、疲労の回復などに効果を発揮します。

キュウリは涼味ある食べ物でもあります。暑くて食欲がないときには、まずキュウリを食べて、食欲を刺激して、次に主菜やほかの副菜にお箸を進める方法もあるでしょう。

水分や栄養の補給に、キュウリを上手に役立てたいものです。
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参考資料など

『旬の野菜の栄養事典 最新版』(監修/吉田企世子、エクスナレッジ)、『色の野菜の栄養事典』(監修/吉田企世子、エクスナレッジ)、『健康365日 旬がおいしい野菜事典』(監修/田中由美、学研)、『決定版 栄養学の基本がまるごとわかる事典』(監修/足立香代子、西東社)、長野県HP(https://www.pref.nagano.lg.jp/shokusei/kenko/shokuhin/shokuchudoku/yugao.html)