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梅雨前線の位置が決め手 地域で分かれる「梅雨のイメージ」

2020/06/24 11:19 ウェザーニュース

6月といえば梅雨。皆さんは、「梅雨」と聞くとどんなイメージを思い浮かべますか?
「雨の日が増える」というのは共通イメージかと思いますが、雨の降り方や体感はどうでしょうか。

ウェザーニュースでは「あなたが住む街の梅雨のイメージ」について、「弱い雨×涼しい」「弱い雨×暑い」「強い雨×涼しい」「強い雨×暑い」の4つの選択肢の中から選んでいただきました。
(北海道のみなさんには「蝦夷梅雨」を想定して回答していただきました)

「弱い雨×暑い」が主流

各都道府県で最も多かった選択肢で色分け
全体の傾向としては、沖縄・九州南部は「強い雨×暑い」、東北北部・北海道では「弱い雨×涼しい」、それ以外の地域では「弱い雨×暑い」、という結果になりました。
日本列島全体としては、「弱い雨×暑い」が主流ということになりますね。

では、雨と体感とで分けて詳しくみてみると、どうでしょうか。

まず、雨の強さです。

西日本ほど「強い雨」の割合が高い

「強い雨」と回答した割合
都道府県ごとに見てみると、「強い雨」の回答数が半数を上回っているのは、沖縄、鹿児島、熊本の3県のみで、残りの都道府県は「弱い雨」が過半数を占めていました。

「弱い雨」が多いものの、西日本太平洋側を中心に「強い雨」と感じている人も少なからずいることが分かりました。

コメントを見てみると、「梅雨前半は弱い雨だけど、後半は強い雨」などと、長い梅雨時期の中でも強い雨・弱い雨が混在しており、西日本太平洋側では「強い雨」の印象の方が強い人もいることが考えられます。

では、体感はどうなのでしょうか。

関東は涼しいと暑いが拮抗

赤:「暑い」が7割以上
青:「涼しい」が7割以上
白:どちらも7割に満たない
東北北部は7割以上が「涼しい」、中部より西の地域では7割以上が「暑い」と回答しています。

しかし、関東や東北南部では「涼しい」と「暑い」が拮抗しています。

コメントを見てみると、「梅雨入り直後は肌寒いが、だんだんと蒸し暑さがましてくる」、「(東北地方は)ヤマセなどの影響で時々寒い日がある」などとあり、しばしば訪れる「梅雨寒」の印象が強く、どちらとも決めづらかったことがうかがわれます。


このように違いが出る理由はどこにあるのか、ウェザーニュースの気象予報士に聞いてみました。

ポイントは「梅雨前線」との位置関係

前線に近いほど強い雨が降る

「雨の強さ」は、梅雨前線との位置関係が関係しています。
西日本太平洋側を中心とした地域では、梅雨前線の南側に入ることが多く、南からの湿った空気が流れ込むことで雲が発達し、強い雨が降ることが多くなります。

一方、梅雨前線から少し離れた所に位置することが多い東日本や北日本では、あまり雲自体は発達しないため、弱い雨となる日が多くなります。

では、体感はどうでしょうか。

前線の北側は涼しい空気

こちらも梅雨前線との距離に関係しています。

まず大まかな傾向として、梅雨前線の南側に位置する地域では、南の暖かい空気が流れ込み蒸し暑く感じる日が多くなります。
一方、梅雨前線の北側に入る地域では、北の涼しい空気に包まれ、あまり暑さはありません。

冷たい風が吹き付ける

その上で、関東や東北太平洋側では、梅雨前線やオホーツク海高気圧などの影響で冷たい東風が吹くことがしばしばあります。(東北地方では『やませ』と呼ばれる。)

この風の影響で6月・7月頃に季節外れの寒さが訪れるために、今回の調査のような「暑い」と「寒い」が拮抗する結果になったと考えれます。」(気象予報士)


同じ梅雨と呼ばれる期間でも、雨の降り方や体感は地域によって異なることが明らかになりました。
また、同調査から、一昔前と今とでも梅雨の印象は変わってきたと感じている方がいらっしゃることも分かりました。
今年の梅雨は、地域ごとの違い、子供の頃との違いなど感じてみるのはいかがでしょうか。
>>今年の梅雨明けはいつ頃?

参考資料など

調査:スマートフォンアプリ「ウェザーニュース」 ソラミッションより
2019年6月12〜13日に実施、全国8,652人が回答