太平洋赤道域では、海洋表層の水温の平年との差が小さいため、今後しばらくは平年並で推移すると考えられます。エルニーニョ現象を予測するコンピューターシミュレーションの結果でも、夏は基準値に近い値か基準値より低い値で推移する見込みです。
このため、夏から秋にかけて平常の状態が続く可能性が60%と最も高くなっています。ただ、7月以降はラニーニャ現象が発生する可能性が30%あり、その場合は台風の動向に影響を与えます。
台風の発生位置は少し西よりか
8月〜10月にラニーニャ現象の発生や、それに近い状態になった場合、熱帯の対流活動が活発なエリアが平年(フィリピンの東海上)よりも西にずれる傾向があります。対流活動が活発なエリアでは多数の積乱雲が発生しやすくなり、これらの積乱雲が集まって台風となるため、台風の発生位置は、秋を中心に平年よりも西寄りになる予想です。
海面水温が高い海域を通る時間が短くなったり、 大陸へ進む台風が多くなる影響で、秋は台風の発生から消滅までの寿命が短くなる傾向もあります。
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