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明確な基準があった!「梅酒」と「本格梅酒」の違いは!?

2020/06/10 10:01 ウェザーニュース

6月10日は「梅酒の日」です。梅酒を飲んで暑い夏を乗り切ってもらおうと、チョーヤ梅酒が毎年6月の入梅(にゅうばい)の日を「梅酒の日」と制定(日本記念日協会認定)しました。人気上昇中の梅酒ですが、梅酒には「梅酒」と「本格梅酒」があるのはご存知ですか?

「本格梅酒」が生まれたワケ

話は2010年前後に梅酒人気が高まった頃にさかのぼります。酒屋さんやスーパーの棚には梅酒がずらりと並びました。梅酒の生産量は2002年の2000万リットルから2011年には3900万リットルと2倍近く伸びました。

ところが、梅酒の生産量は増えているのに、原料になる青梅(熟す前の梅)の需要は伸びませんでした。同期間の梅酒用青梅の出荷が5900トンから6400トン、約8%増にとどまったのです。というのは、酸味料や香料、着色料を加えてつくった梅酒が多かったからです。

「私どもとしては、梅の需要が伸びてもらわないと困ります。梅・糖類・酒類だけでつくった梅酒の区分表記について国に要望を出していたところ、日本洋酒酒造組合が2015年に『本格梅酒の基準』を設けていただいた経緯があります」(和歌山県農林水産部食品流通課)
これは自主基準ですが、梅・糖類・酒類のみを原料とし、酸味料・着色料・香料をいっさい使用しない梅酒を「本格梅酒」と表示できるようになったのです。

若い世代に梅酒人気広まる

梅の生産量の6割を占める和歌山県は「本格梅酒」の普及に力を入れています。

「自主基準が設けられたことで、和歌山県は青梅の需要拡大と梅酒の販売促進につながることを期待して、本格梅酒のPR活動を行っています」(同)

たとえば、県内の梅酒・梅干しメーカーがつくった本格梅酒44銘柄を梅酒の特徴である甘さ、香り、酸味を図式化した「梅酒マッピング図」を作成して配布しています。

若者の酒離れがいわれますが、「20代女性はビールより梅酒が好き、30代女性はビールに次いで梅酒が好き」(リクルートライフスタイル調べ、2018年3月)と若い女性はワインを押さえて梅酒好きな人が多いようです。

梅酒は自宅でつくる人も多いでしょうが、購入する際は、「梅酒」と「本格梅酒」の違いを思い出して表記をチェックしてみてはいかがでしょうか。

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