週後半は頭痛など"天気痛”に注意 低気圧や前線が影響
2020/06/03 05:40 ウェザーニュース
天気痛のピークとも言われている6月に突入しました。
4日(木)以降は、毎日決まった時間に起こる「大気潮汐」と呼ばれる気圧変化の変動が通常より大きくなっていることに加え、寒気を伴った低気圧や前線が接近・通過することで日本付近の気圧が低下します。
気圧の変化で頭痛などの天気痛に注意
週間天気痛予報
ウェザーニュースがこれまでに会員の方々と幾度も検証を行った結果、「気圧の変化が通常のパターンからずれた時」に、頭痛や関節痛などの天気痛を感じる方が多いことが分かっています。また、6月は天気痛のピークとも言われています。
今週後半は、頭痛や関節痛を感じることの多い方は注意が必要です。
天気痛は「気圧」がポイント
晴れや雨などの天気の変化だけでなく、気温や湿度のほか気圧なども大きく関係していると言われています。
特に気温・湿度については、「暑い・寒い」、「湿っている・乾燥している」など、日々の体感で変化を感じられますが、気圧の変化についてはなかなか体感で感じることができません。
ウェザーニュースの天気痛予報は、原因となる気象要素の中でも、肌で実感しにくい気圧の変化に着目して天気痛の予測ロジックを組み立てています。
(1)低気圧や台風の接近時、高気圧が離れる時の気圧変化
天気図に表現される低気圧や台風などの現象が通過する時に気圧の変化が大きくなるため、天気痛が発症しやすく注意が必要です。中でも発達した低気圧や台風が通過する際は一日に20hPa以上もの気圧差となります。気圧変化の傾きが大きくなるほど天気痛発症のリスクが高まってきます。
この変化は春や秋などに周期的に低気圧が通過することなどもあり、季節の変わり目の際は数日周期で体調の変化が心配となってきます。
(2)1日2回、ほぼ決まった時間で繰り返す気圧のアップダウン(大気潮汐)
一方で、天気図には明瞭に表現されることがないが天気痛を感じるパターンがあります。これは「大気潮汐」が関係している可能性があると考えられています。
大気潮汐を分かりやすく説明すると、昼間に太陽光で大気が温められることや日没後に冷やされることなどよって発生する周期的な気圧変化の事を指し、図のように1日2回、気圧のアップダウンを繰り返す半日サイクルの変動の気圧変化となります。
この周期はヒトの生体リズムの周期と一致している可能性があり、(1)の天気図レベルの気圧変動と比較すると1/1000レベルの変化となっていますが、天気痛の引き金となります。
この変化は一般的に9時頃と21時頃に高く、3時頃と15時頃に低くなります。低気圧や台風などが存在しない時でも気圧の変動幅は数hPa程度あるようです。
このアップダウンの変動の幅が平均的な状態より大きくなった時にも天気痛発症のリスクが高まるということもこれまでの調査から分かっています。
(3)周期性のある小さな気圧変動
最後に、微気圧変動と呼ばれるもので先ほどの大気潮汐よりも小さな変化となり、(1)の天気図レベルの気圧変動と比較すると1/10000レベルのごく微小な変化に相当するものです。
微気圧変動の例としては、低気圧接近時や積乱雲の発生時、山越えの気流の影響で発生します。
微気圧変動に伴う気圧変化量1hPa以下で、継続時間は数分から数十分程度と短いですが、発生すると1日に複数回押し寄せるパターンが多いです。
上記2パターンよりも小さく細かい振動ですが、天気痛に敏感なセンサーをもった方はこのような微小な変化でも影響があると考えられています。