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★6月の天体イベント★21日(日)は全国各地で部分日食が見られるチャンス

2020/06/02 10:01 ウェザーニュース

2020年6月は日食や月食、惑星の接近などイベント盛りだくさんとなっています。

夜のおうち時間は、窓から夜空を見上げて、天体観測をお楽しみください。

>>2020年の天体イベント

半影月食

6日(土)4時25分頃(東京)
6日(土)の未明から明け方にかけて、地球の半影に月が隠される半影月食が起こります。

今年は日本から月食が3回見られますが、いずれも地球の影のうち半影と呼ばれる薄い部分に月が隠される半影月食となります。1月11日に続き、2回目が、6月6日の未明から明け方にかけて起こります。食の始まりは2時46分ごろ、食の最大は4時25分ごろ、終わりは6時4分ごろで、どれも全国共通です。

東日本では食の始まりの時点で薄明が始まっており、食の最大になるころに月の入りと日の出を迎えてしまうので、ほとんど月食と判別しにくい状況となります。西日本でも空が明るく低空での現象となる(食の終わりより前に月の入りとなる)ので非常に見づらいですが、撮影してみると月の左下がやや暗いのがわかるかもしれません。しっかりと準備を整えて観察してみてください。

次回の日本から見える半影月食は11月30日(月)です。

6月の満月はストロベリームーン

6月は6日(土)4時12分に満月を迎えます。

アメリカの先住民は季節を把握するために、各月に見られる満月に名前をつけていました。6月は、イチゴの収穫が行われるため、この名前がつけられたと言われています。

月が木星に接近

9日(火)0時頃 南東の空(東京)
8日(月)の深夜から9日(火)の明け方にかけて、南東の空で月齢17の月と木星が接近して見えます。

約1か月後に衝を迎える木星はマイナス2.6等級で輝いており、明るい月と並んでも存在感があります。また、月と木星の左には土星もあり、視野7度の双眼鏡で3天体を同時に見ることができます。いろいろな方法で月と惑星の共演を観察して楽しんでみてください。

月と木星の次回の接近は7月5日(日)から6日(月)、月と土星の次回の接近は7月6日(月)から7日(火)です。

月が火星に接近

13日(土)2時頃 東〜南東の空(東京)
13日(土)の未明から明け方、南東の空で月齢21の下弦前の半月と火星が接近して見えます。

10月に地球と最接近する火星は日付が変わるころに昇り、0等級より明るくなっています。地球と最接近する前後だけでなく長期にわたって観察してこそ火星の動きや明るさの変化がわかるため、ぜひ今のうちから観察してみてください。また、火星のそばには海王星もあります。

月と火星の次回の接近は7月12日(日)です。

全国各地で部分日食
アフリカ~インド、中国、台湾で金環日食に

21日(日) 西〜北西の空(東京)
6月21日(日)の夕方、日本全国で部分日食が見られます。日本で日食が見られるのは、昨年12月26日以来となります。
南西の地域ほど欠け具合が大きく、継続時間が長くなり、那覇では最大食分0.84(太陽の直径の84%が隠される)で継続時間は約2時間20分となります。現象が起こる時刻や食の継続時間、太陽の高さなどは場所により異なるため、事前にご確認くください。一年で最も昼が長い夏至の日に起こる日食を、是非楽しんでみてください。

なお、この日食はアフリカ~インド、中国、台湾では、継続時間1分前後の金環日食となります。継続時間が短いので、細いリングが見えそうです。

参考資料など

『天文年鑑(2020)』誠文堂新光社
『月刊星ナビ』アストロアーツ
国立天文台「ほしぞら情報」https://www.nao.ac.jp/astro/sky/