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週刊地震情報 2020.5.31 31日(日)北海道・十勝沖でM5.8 広範囲で震度4

2020/05/31 11:41 ウェザーニュース

この1週間で、国内で観測された地震回数は前週に比べる少なくなりました。震度3以上の地震は4回に留まっています。地震の発生は北海道から先島諸島にかけての広い範囲に及びました。(5月25日~31日10時の集計)

国内:十勝沖でM5.8 震度4の地点が多数

31日(日)3時14分頃、十勝沖を震源とするマグニチュード5.8の地震が発生しました。この地震で釧路市や根室市などで最大震度の4、帯広市や北見市など道東の広い範囲で震度3の揺れを感じています。

十勝沖は太平洋プレートが北米プレートに潜り込む、千島海溝沿いの西端に当たり、今回の地震は深さやメカニズムなどからプレート境界付近で発生したと見られます。

近年も大きな地震が頻発しており、2008年にはマグニチュード7.1、2003年にはマグニチュード8.0(平成15年十勝沖地震)が発生しました。

政府の地震調査研究推進本部は十勝沖でマグニチュード8.0~8.6程度の地震が、3年以内に9%の確率で発生すると見ています。また、根室沖や択捉島沖などを含む、千島海溝沿いではマグニチュード8.8以上の超巨大地震の発生が懸念されており、常日頃からの対策が欠かせません。
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国内:長野・岐阜県境付近で最大震度4の地震

4月下旬から活発な地震活動が続いている長野・岐阜県境付近で29日(金)19時05分頃、マグニチュード5.3の地震が発生し、岐阜県高山市栃尾で震度4、飛騨市神岡町や松本市安曇で震度3を観測しました。

一連の群発地震で震度4を観測する地震は19日(火)以来3回目で、マグニチュード5.3は3番目の強さです。この地震の後は活動が活発になり、29日(金)は震度1以上の有感地震が9回、30日(土)は5回発生しています。

活動が始まって1か月あまりが経過しましたが、1998年の群発地震では3か月ほど活発な状況が続きましたので、引き続き注意が必要です。

世界:ニュージーランドで今年最大のM5.6の地震

世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)
アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は 11回発生しています。最も大きなものは27日(水)にバヌアツ近くで発生したマグニチュード6.1です。

また、25日(月)にニュージーランドの北島沿岸部を震源とするマグニチュード5.6の地震が発生しました。震源近くでは日本の震度階級で震度3程度の揺れがあったと見られます。

被害の発生はなかったものの、地震発生当時にニュージーランドの首相がテレビ出演中で、落ち着いた対応をしたことが話題になりました。

今回の震源付近では1934年と古い記録ながら、マグニチュード7.2の地震が発生したことがあります。ニュージーランドは太平洋プレートとオーストラリアプレートが複雑に関係しあうため、大きな地震が度々発生し、最近では2016年に発生したマグニチュード7.8の地震で被害が起きました。

参考資料など

※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。