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二十四節気「小満」、七十二候「蚕起食桑」 いったいどんな時期?

2020/05/20 05:59 ウェザーニュース

5月20日からは二十四節気「小満(しょうまん)」、七十二候「蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)」。

立夏は夏の始まり、大寒は1年で最も寒い時期など、その字からどんな季節なのか、なんとなく想像できる暦もありますが、今回の小満って一体・・・?

そこで今回は、小満がどんな時期なのかをご紹介します。

万物が活き活きする時期

気候が良くなるこの時期は、草木を含むあらゆるものが成長(生長)し、やがて天地に満ち始めるということから「小満」と名付けられたようです。

また、秋にまいた麦が無事に穂をつける時期であり、その姿を見てホッとする(少し満足する)というところから、小満と言われるようになったという説もあります。

蚕が成長する時期

今回の七十二候は「蚕起食桑」ということで、孵化(ふか)した蚕が桑の葉を食べて、スクスクと成長する頃だと伝えています。

「蚕は…ちょっと苦手だなぁ。」

特に女性はそんなふうに思ってしまうかもしれませんが、蚕は私たちの生活に大きく貢献しているんです。

蚕と切っても切り離せないのが、マユから作られる絹!パウダー状にして、化粧品や食品に使われていたり、絹糸は医療用道具としても活用されてます。
また、上質な絹糸を使った服は、肌に優しいだけでなく、通気性や吸湿性に優れています。

気温と湿度が高くなってきた今の時期にはまさにぴったりな素材ですね。

衣替えの時期

昼間はまるで夏を思わせるような陽気となる今の時期、着る服もだいぶ薄着になってきましたね。
6月1日から学校などでは夏服への移行が始まります。
今では特に行事という扱いではない衣替えですが、昔は宮中行事になっていたことをご存知ですか。

衣替えは中国から伝わったもので、平安時代から宮中行事として日本にも定着し始めます。

最初は貴族社会のみで行われていましたが、徐々に武家社会や庶民の間にも広がり始めました。
また、今では1年に2回が一般的ですが、江戸時代では四季にあわせて衣替えを行っていたので、1年に4回あったそうです。

明治時代になると、和服だけではなく洋服を着る人も増え、今のように6月と10月の2回衣替えを行うようになりました。

収納場所の掃除やしまう衣類の洗濯など、衣替えは大変な作業ではありますが、湿度が高くなる梅雨の前に済ませておきたいですね。
ただ、もう少しすると冷房を使用する時期になります。冷え性の方は、ひざ掛けや上着を全てしまわず、数枚は取り出しやすいところに収納しておくことをおすすめします。

走り梅雨の時期

気象庁のHP:5月の降水量の平年値(日ごとの値)をもとに作成
走り梅雨とは、5月の中旬から下旬頃、本格的な梅雨に入る前にぐずついた天気が続くことです。
上のグラフは、1981〜2010年の30年間の東京の降水量の平年値を表したもの。
これを見ると16日〜24日の降水量が多くなっていることがわかります。

通常であれば、走り梅雨の後は晴天となり、その後本格的な梅雨となります。ただ、走り梅雨が長引くと、そのまま本格的な梅雨に突入することもあります。

毎日雨ばかりの梅雨のことを考えると、非常に憂うつな気分になりますが…その先に待っている新しい季節の始まりに想いをはせると、ちょっと前向きになれるかもしれません。

二十四節気と七十二候について

1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、それぞれをさらに6つに分けた24の期間を「二十四節気」といいます。

そしてこれをさらに初候、次候、末候の5日ずつにわけて、気象の動きや動植物の変化を知らせるのが七十二候です。

二十四節気と七十二候は、その日だけではなく、次の節気または次の候までの期間も指しています。

次回は、「小満の次候、紅花栄(べにばなさかう)」についてご紹介します。

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参考資料など

【引用元】
気象庁「平年値(日ごとの値)」https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/nml_sfc_d.php?prec_no=44&block_no=47662&year=2016&month=5&day=&view=p1
【参考・参照元】
コトバンク「小満」https://kotobank.jp/word/%E5%B0%8F%E6%BA%80-79870
国立研究開発法人農業生物資源研究所「カイコってすごい虫!」https://www.naro.affrc.go.jp/archive/nias/gmo/kaiko/kaikobio.pdf