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コーヒーにも“旬”がある! いま日本で旬が味わえるコーヒー豆は

2020/05/19 10:32 ウェザーニュース

外出自粛が続き、自宅で過ごす時間が増えたことによって、家でコーヒーを淹れる機会も増えているのではないでしょうか。農作物であるコーヒー豆にも、ほかの食材と同じように収穫期、“旬”の時季があるのです。

晩春から初夏にかけて、日本で焙煎(ばいせん)・販売されるコーヒー豆の種類やおいしいいれ方・飲み方について、神戸・三宮の自家焙煎コーヒー豆屋「コバルト」の四宮綾人(しのみや・あやと)さんにお話を伺いました。

日本での“旬”は収穫から数か月後

「コーヒー豆は海外で栽培・加工されて日本に送られてきますので、私たちにとってのコーヒーの“旬”は収穫から数か月後。日本の港に陸揚げされて間もない生豆が焙煎されて、店頭に並ぶ時季といえるでしょう。もちろん生産国によってその時季は、異なります」(四宮さん)

一般的に、北半球の生産国では冬が収穫期で夏から秋にかけて日本に入り、南半球は日本の夏(現地の冬)が収穫期で冬から夏にかけて入ってくるそうです。

「収穫と入港の時季が大きく隔たっているのは、生産国でコーヒーチェリー(赤く熟したコーヒーの果実)が生豆に加工され、船旅を経て日本に入ってくるまでに多くの日数がかかるからです。すんなりいって3か月、半年以上かかることもざらにあります」(四宮さん)
輸入量1位のブラジルでみると、収穫期が5~9月で日本での旬は12~3月、2位はベトナムですが、主産品はロブスタ種と呼ばれてインスタントコーヒーや缶コーヒーの材料とされ「私たちのような自家焙煎の店で販売されることはほとんどありません」(四宮さん)といいます。

3位のコロンビアは赤道直下に位置するため、「高低差によって地域による収穫期のばらつきがあり、一年中入ってきます。強いて旬の時季を挙げるなら、代表的な産地の収穫が主に9~12月なので、その豆が日本に届く4~6月頃になります」(四宮さん)。

“いまが旬”はインドネシア(マンデリン)とエチオピア(モカ)

「5月中いっぱいが旬といえるのは、インドネシア産のマンデリンになります。マンデリンは人気の品種ですので、味わうにはとくにいい時季でしょう。引き続いて6月に入ると、エチオピア産のモカが店頭に並び始めます。そのあたりが“いまが旬”といえますね」(四宮さん)

7月から10月にかけては、グアテマラなど中米の国々で生産されたコーヒー豆が旬を迎えるそうです。

それでは、旬のコーヒーはどのように飲めばよりおいしく味わえるのでしょうか。

「いれ方はいつでも同じといえば同じですが、旬らしい香りを感じるために、暑い時季でもホットのブラックで味わうのがいいと思います。ミルクを入れてしまうと、どうしても香りが隠れてしまいます。アイスコーヒーとして味わう場合でも、ホットを冷やしたほうがより香りを感じれます」(四宮さん)

「コールドブリュー」と呼ばれる水出しが広まっていますが、香りはどうしても出にくくなるそうです。

「『コバルト』では、東ティモール、ブラジル以外は定番化せず、さまざまな新入荷の商品をどんどん入れ替えるようにしています」(四宮さん)

みなさんも旬のコーヒー豆を最寄りのお店で見つけ、自宅でゆっくりと季節の味を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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参考資料など

取材協力/神戸 三宮の自家焙煎コーヒー豆屋「コバルト」