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ウイルス対策による“手荒れ”を防ぐには

2020/05/13 08:25 ウェザーニュース

新型コロナウイルス対策に気を抜けない日々が続いています。「手洗い、消毒などは、感染症予防のため絶対に必要なことですが、その影響で手荒れに悩む人が増えています」と言うのは、野村皮膚科医院(横浜市神奈川区)院長の野村有子先生です。気温や湿度の変化が大きい春は、ただでさえ肌のコンディションが思わしくありません。それに加えて頻繁な手洗いや消毒による手荒れを防ぐには、どうしたら良いのでしょうか。

なぜ、手荒れ対策が必要?

「せっけんを使ってしっかり洗うのは必要なことですが、どうしても手の油分(皮脂)が奪われがちです。アルコール消毒液を使う場合も同様です。油分が落ちると、皮膚のバリア機能が低下し、刺激物質が皮膚の奥深くに入り込みやすくなり、手荒れが進行します」(野村先生)

また、皮膚のバリア機能が低下することで、手荒れ以外にも気がかりな問題があるようです。

「身体を覆う皮膚は、外部の刺激から身体を守ったり、水分の蒸散を防ぐものです。特に、ウイルスや細菌などの病原体の侵入を防ぐ重要な役割を果たしています。肌荒れとは、細かい亀裂や傷のある状態で、ウイルスや細菌に対して十分に防御できない可能性が高くなるのです。

新型コロナウイルスだけでなく、さまざまなウイルスや細菌による感染症からからだを守るためにも、肌を健やかに保つことが大切です。手荒れなどがあると、十分な手洗いがしにくくなるのも問題です」(野村先生)

確かに痛みがあると、つい手洗いの時間を短くしたくなりがちです。どのように対策すれば良いのでしょうか。

手洗い、消毒とともにしたいこと

「できる限り、手の油分を損なわないようにする工夫が必要です。手を洗った後や、アルコール消毒をした後は、ハンドクリームなどで保湿しましょう。また、食器洗いなど水仕事をするときは、ゴム手袋を使ってください。洗濯物をたたむなど布や紙をさわるときも手の油分が奪われやすいので、綿手袋をして作業するのがおすすめです。

夜は、油分多めのハンドクリームをたっぷり塗って回復に努めます。あかぎれになりかけている人は、ビタミンEの入ったクリームをつけ、綿などの手袋をして眠ると手荒れが改善されます」(野村先生)

もちろん、生活の基本も大切です。

「『肌は健康のバロメーター』といいますが、肌荒れの背景には、寝不足やストレス、食生活の乱れがあり、肌荒れしているときは身体の抵抗力が落ちていることも多いのです」(野村先生)

十分な睡眠や運動、栄養素が豊富な食べ物の摂取などで体調管理に努め、手荒れ肌荒れを防ぎましょう。

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