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熱がこもるマスク、5月からは熱中症にご用心

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2020/05/10 07:56 ウェザーニュース

熱中症に警戒する時季がやってきました。5月に熱中症は早いと思うかもしれませんが、昨年は全国で4448人が5月に救急搬送されています(年間熱中症搬送者の6%、総務省消防庁)。新型コロナ感染予防でマスクを着用する人が多い今年は熱中症に要警戒です。

マスクは顔の半分をおおう

「人は体内の熱を皮膚から放熱して体温の上昇を防いでいます。汗をかけば汗が蒸発するときの気化熱が放熱を助けます。しかし、顔の半分をおおうマスクをすると、放熱が十分に行われず、熱中症になるリスクが高まります」と言うのは横浜相原病院(横浜市瀬谷区)の吉田勝明院長です。

冬はマスクをすると顔が暖かく、マフラーに匹敵するほど放熱を防いでくれます。しかし、気温が上昇するとマスクは放熱を妨げ、熱中症になりやすいと言うのです。

皮膚から放熱を促す工夫を

マスクは通常、インフルエンザ予防や花粉症対策で冬から春に着用していました。しかし今年は、5月以降も新型コロナ感染予防で外出の際はマスク着用が求められています。また、外出の自粛が続いたことで例年に比べて暑さに慣れていない可能性があるので、これから暑くなる時期はより一層熱中症に注意する必要があると言います。どうしたら熱中症を予防できるのでしょうか。

「顔は凹凸があり汗をかくので優れた放熱器官ですが、マスクをすると機能しません。その代わりに胸元や腕、できたら足首も露出して放熱するといいでしょう」(吉田院長)

半袖やノースリーブなどのほか、男性もノーネクタイだけでなく半袖の開襟シャツなどで肌の露出面積を増やす必要がありそうです。

水分補給が不十分な可能性も

室内ならエアコンがあり体温調節はできますが、屋外でマスク着用による熱中症対策は皮膚の露出を増やすだけでいいのでしょうか。

「マスク内は湿度が高くなるので、のどの渇きを感じにくく、水分補給が不十分になりがちです。のどが渇いていなくてもこまめに水分を補給する、日射しが強いときは男性も日傘をさすなど、熱中症対策はいろいろあります」(吉田院長)

熱中症の初期症状として、発熱、頭痛、そして全身倦怠感があります。この時期ですから、「ひょっとしたらコロナウィルスに感染したのでは」という不安感に襲われ、精神的にも参ってしまうこともあります。

そして熱中症が中等度、重度になると意識がもうろうとして正常な判断が難しくなり、命の危険にさらされることがあります。マスクが手ばなせない今年は例年以上に熱中症対策に気をつけたいものです。
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