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春から初夏が旬の「そら豆」。その優れた栄養とは?

2020/05/06 07:47 ウェザーニュース

春から初夏が旬の食べ物の一つに「そら豆」があります。そら豆は、漢字では「空豆」や「蚕豆」と書きます。空豆と書くのは、さやが空に向かって伸びる姿に由来し、蚕豆と書くのは、さやが蚕(かいこ)の繭(まゆ)に似ているからなどといわれます。

そら豆は人間に必要な栄養素がまんべんなく含まれているスグレモノでもあります。今が旬のそら豆の主な栄養と健康効果を管理栄養士の柴田聡美さんに聞きました。

亜鉛や鉄分などを豊富に含む

そら豆の亜鉛の含有量は、野菜の中でトップクラスです。

「亜鉛は成長ホルモンなどに影響を与えて、細胞の代謝を促進します。亜鉛が含まれる食品をとることで、肌荒れやニキビが改善したり、味覚障害を防いだりする効果が期待できます。体の酸化を防ぐ役割も担っていて、免疫力が高まる効果も期待できます」(柴田さん)

鉄分も豊富で、同じ重量あたりでは、ほうれん草よりも多く含まれています。

「鉄分の吸収を高めるタンパク質とビタミンCも多いので、貧血気味の人には、特におすすめです。皮には食物繊維もたくさん含まれています。そら豆を食べることで、胃腸の働きが活発になり、便秘が予防できたり解消したりすることも期待できます。コレステロールの上昇を抑え、血栓を溶かす作用のあるレシチンも含まれているので、動脈硬化の予防にも役立つでしょう」(柴田さん)

今が旬のそら豆で、ビタミンやミネラルを補おう

そら豆はどのようにして食べるとよいでしょうか。

「最も一般的なのは、さやから取り出した豆を塩ゆでにして食べる『塩ゆでそら豆(そら豆の塩ゆで)』です。ほかには、さやのまま焼いて、中の豆を食べる『焼きそら豆』もおすすめです」(柴田さん)

これらは手軽にできるので、自宅でお酒を飲むときのおつまみとしても重宝しそうです。さらに、もうひと手間かけて、サラダ、スープ、炒め物、和え物、煮物、天ぷら、パスタ料理などに活用してみるのもおすすめだといいます。大人だけでなく、子どもたちも喜ぶでしょう。

「そら豆はさやから出すと、鮮度が落ちるのが早く、豆がすぐに固くなります。そのため、購入後はなるべく早く食べることと、調理する直前にさやから取り出すことを心がけましょう」(柴田さん)

新型コロナウイルスの影響で、食生活が乱れ、ビタミンやミネラルが不足気味になっている人もいるでしょう。そうした人たちにも、今が旬のそら豆は頼もしい味方になってくれるはずです。

参考資料など

『健康365日 旬がおいしい野菜事典』(監修/田中由美、学研)