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頭痛・めまい・だるさ…春の「天気痛」を防ぐには

2020/05/03 05:11 ウェザーニュース

この時期、頭痛・関節痛・めまい・むくみ・だるいといった症状に悩まされていたら、春に多い気圧の不規則な変化のせいかもしれません。気圧の変化は体感できませんが、私たちの体調に大きく影響するのです。

気圧の日内変動や微気圧変動も影響

「気温や湿度は体感できますが、体感できないのが気圧の変化です。しかし、人の体は内耳にある気圧センサーで気圧の変化を感じると脳に信号を送り、自律神経が働き出します。

気圧の変化に敏感だと過剰に反応し、交感神経が活発になりすぎて頭痛や関節痛など、いわゆる天気痛を感じたり、副交感神経が活発になれば眠くなったりだるくなったりします」と語るのは、ウェザーニューズ気象病顧問アドバイザー・愛知医科大学客員教授・中部大学教授で医師の佐藤純先生です。

「気圧の変化を調べてみると、周期的に移動性低気圧が通過するといった大きな変化だけでなく、1日のうちで気圧が上下する日内変動や、さざ波のように押し寄せる微気圧変動が観測されました。こうした気圧のブレも天気痛など体調の悪化を引き起こすのです。春は気温や気圧が変わりやすく、気づかぬうちに体に負担がかかっています」(佐藤先生)

6日先までわかる天気痛予報

天気痛を起こしたり体調の悪化をもたらす気圧の変化は体感できませんが、気圧の変化を予測できれば備えることができます。そこで佐藤先生とウェザーニューズが共同で開発したのが「天気痛予報」です。今年3月2日から次のサイトで公開しています。

「天気痛が発症するリスクを6日先まで“警戒”“注意”“やや注意”“安心”という4ランクで表示しています。天気痛のリスクを事前に把握できるため、薬の準備などの対策や心構えができます。3時間ごとの天気痛予報だけでなく、天気や気圧の変化も確認できるので、薬を飲むタイミングの参考にもなります」(佐藤先生)
» 天気痛予報をチェック

酔い止め薬、耳栓、入浴も有効

天気痛といっても症状はさまざま。頭痛や関節痛に悩む人なら頭痛薬や痛み止め薬を常用している人も多いでしょう。「天気痛予報」の“警戒”“注意”といった症状が悪化する恐れがあるときは、事前に服用することができます。

「気圧の変動が原因で、頭痛や関節痛だけでなく、めまい、むくみ、だるさなどの症状が出る人がいます。病院で診てもらわずに我慢している人は、市販の酔い止め薬、漢方薬の五苓散(ごれいさん)が効くことがあります。また、耳栓(みみせん)も気圧の変化を和らげ、天気痛に効くことがあるので試してはいかがでしょうか」(佐藤先生)

この時期は、気圧の変化だけでなく、気温の変化も体調を崩す原因になります。「私がお勧めするのは、夜寝る前の入浴です。40℃前後のぬるめのお湯に10分ほど浸かってください」(佐藤先生)

気圧の変化で体調を崩す「天気痛」(気象病とも呼ばれる)に悩む人は1000万人いるとされます。「天気痛予報」を活用して、事前の対策で天気痛を予防してはいかがでしょうか。

» 気圧変化·頭痛対策の参考に<天気痛予報>