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インフルエンザ患者数 昨年より450万人減 過去5年で最も少ない記録

2020/04/23 10:37 ウェザーニュース

新型コロナウイルスの感染拡大が続いている一方、今シーズンのインフルエンザ患者数(推計値)は過去5年で最も少ない結果となりました。

過去5年で最も少ない記録

過去5年の患者推計値を見てみると、最も多かった2017ー2018年シーズンは1400万人を超えていました。2019ー2020年シーズンは、定期的な発表は例年より早い4月10日までで終了しており、この時点で728.5万人に留まりました。

例年と医療機関の状況や検査数等が異なる可能性はあるものの、昨シーズンの総数と比べると約480万人、昨シーズン同時期(1176万人)と比べても約450万人減少しました。

例年のピーク期に患者数増えず 昨年より早い終息

今シーズンの大きな特徴は、例年のピーク時期に患者数が大きく増えなかったことです。

今シーズンは早い時期から流行が始まって12月までは昨シーズンを上回る報告数で推移しました。しかし、例年、患者数が急増する年末から年始に関してほとんど変化が見られず、1月中旬~下旬の報告数は昨年の約3分の1に留まりました。

多雨・暖冬で「絶対湿度」が高く推移

1月に患者数がおさえられた気象条件として、暖冬傾向により東京など関東周辺で雨が多かったことが考えられます。

インフルエンザウイルスの活動の目安として「絶対湿度の数値が低いほうが流行しやすい」とされています。
そこで、今季の絶対湿度の変化を東京の例で見てみると、特に12月の終わりから1月いっぱいは昨シーズンよりも絶対湿度が大幅に高い状況でした。

>>絶対湿度と相対湿度の違いとは

暖冬の今季は太平洋側を低気圧が通過しやすくなりました。そのため、1月の東京は日照時間が17年ぶりの少なさで、降水量が11年ぶりに100mmを超えるなど、例年のような乾燥した晴天が少なく、絶対湿度の変化によく表れています。

ウイルス対策も功を奏す

また、気象条件の他には新型コロナウイルス対策が言われています。

1月16日に日本で最初の感染者が確認されたこともあり、例年以上に手洗い等の対策が徹底して行われています。こうした対策はインフルエンザの予防と共通で、流行しやすい気象条件となった2月以降の寒波の際も、患者数の大幅な増加は見られませんでした。国民の皆さんの努力が功を奏したと言えそうです。

今回、インフルエンザや新型コロナウイルスなどの感染症には手洗いや咳エチケットなど基本的な対策が重要であることが再認識されています。次の冬も、毎日の習慣として継続的に感染症対策を続けていきたいですね。

ウェザーニュースでは、新型コロナウイルスで注目されている都市・エリアの気象データ(気温・湿度)を公開しています。
猛威を振るう新型コロナウイルスに関して、まだ分からないことが多いなか、気象データそのものを公開し、閲覧・ダウンロードしていただくことで、研究・考察にご活用いただければと考えております。

>>新型コロナウイルス流行エリアの気象データ