facebook line twitter mail

東京で雪が降ると人の移動距離は4割減 緊急事態宣言後は7割減

2020/04/17 17:40 ウェザーニュース

ウェザーニュースの予報センターは、ユーザーからの天気リポートなど様々な情報を元に、日々の天気予報の精度向上に取り組んでいます。

東京では3月14日(土)と3月29日(日)に雪が降りましたが、この雪による生活への影響や、防災気象情報の伝え方について事後調査する過程で、ビッグデータ分析チームがユーザーの移動距離を解析したところ、興味深い結果が得られました。

3月14日(土) 都心の雪で移動距離が2割減

1月の平均との比較
この図は、ウェザーニュースアプリを使った人の位置情報を基に推定した移動距離について、個人を特定しない範囲で解析したものです。地域を1kmメッシュに区切り、一定数以上のデータのあったメッシュを色付けしています。

都心で雪の降った3月14日(土)の東京23区では、平均移動距離が今年1月の休日の平均移動距離と比べて23%減少していたことがわかりました。

この日、気象庁は東京の天気を「雨で朝晩は曇り」と予報としていて、雪の降る可能性があるのは関東甲信地方の山沿いが中心としていました。実際には東京都心でも雪が降り、桜の開花発表と同日の雪に、都民からは驚きの声が上がっていました。

3月29日(日) 都心の雪で移動距離が4割減

1月の平均との比較
同様に、都心で雪の降った3月29日(日)の東京23区では、平均移動距離が今年1月の休日の平均移動距離と比べて43%も減少していたことがわかりました。

東京ではこの日、今冬初めての積雪が観測されましたが、外出していた方が少なかったことが奏功し、大きな混乱はありませんでした。この日は気象庁が「東京地方では大雪に注意」と呼びかけていたため、14日(土)と比べても人々の移動が大幅に少なくなったものとみられます。

ただ、この日の移動距離が減っていた理由には、防災気象情報による大雪に関する注意喚起だけではなく、3月25日(水)に東京都の小池知事が新型コロナウイルス感染症について「感染爆発の重大局面」として週末の外出自粛を呼びかけていたことも影響していたとみられます。

そこで、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う外出自粛の影響を比較するため、直近の休日の移動距離も比較してみました。

雪の日でなくても移動距離は7割以上も減少中

1月の平均との比較
先週末の4月12日(日)の東京は、昼間は曇りで外出には問題のない天気でしたが、東京23区内での平均移動距離は、今年1月の休日の平均移動距離と比べて74%も減少していたことがわかりました。

天気に関わらず移動距離は減少中

移動距離の傾向を比較すると、緊急事態宣言後は「天気による影響」よりも「新型コロナウイルスによる外出自粛の影響」のほうが格段に大きいことがわかりました。


今回の分析では、防災気象情報の重要性とともに、皆さんの感染症予防意識の高まりが伺える結果となりました。

新型コロナウイルス感染症は、気象災害と同様に人の命に関わる問題です。今後の流行の拡大・縮小は、皆さんの行動選択にかかっています。人との接触をできる限り減らし、感染の拡大防止にご協力をお願いします。

ウェザーニュースでは、行動状況について以下の特設ページにて随時更新予定です。今週末も減少傾向が続くのかどうか注目です。

※この情報は、ウェザーニュースアプリにて位置情報の利用に許可いただいた皆さまのデータを、個人の識別ができない状態に加工したうえで解析・推計したものです。個人を識別できるデータにつきましては、新たに同意をいただかない限り外部に提供することはありません。

この内容に関して詳しい情報をご覧になりたい方は、株式会社ウェザーニューズのニュースリリースをご覧ください。
https://jp.weathernews.com/news/31294/