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今の時期に水揚げされる「桜鯛」、「真鯛」と何が違う?

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2020/04/11 11:17 ウェザーニュース

桜の花の咲く頃に水揚げされる「桜鯛」。寿司屋やスーパーの店頭には桜鯛がたくさん並びます。そのため、「桜鯛」という種類のタイがいると思っている人も多いようです。船橋地方卸売市場の株式会社 山末の内海治久さんに「桜鯛」の正体について聞きました。

名は体を表す、桜鯛

「今の時期だけ水揚げされる桜鯛は、真鯛とは違うタイ科の魚と思われることがあります。しかし、実は桜鯛と真鯛は同じ魚なのです。

真鯛はこれから初夏にかけて産卵期を迎えるために、3月の初旬頃から餌をたくさん食べるようになり、繁殖を控えた雌の体はピンクに色づきます。ちょうど桜が咲く頃にピンク色を帯びることなどから、桜鯛と呼ばれているのです」(内海さん)

桜鯛は、まさに名前のとおり桜色をしている真鯛のことなのですね。おめでたい席には色のきれいな鯛が並ぶことがありますが、これも桜鯛が多いといいます。

「鯛はめで『たい』魚として、昔から日本人にとっては祝いの席や正月には欠かせない魚です。特に祝いの席には頭と尾が付いた『尾頭付き』で提供されることが多いので、こうした席では見た目の華やかさ、美しさが必要です。そのため、色のきれいな桜鯛が使われることが多いのです」(内海さん)

産卵を終えると桜鯛から麦わら鯛に

桜鯛は、産卵を終えると体色が地味な小麦色に変化するそうです。

「これを『麦わら鯛』とか『落ち鯛』と呼びますが、産卵を終えて疲れ果てているので味が落ちてしまいます。やはり鯛を食べるなら桜鯛の時期までがおすすめです」(内海さん)

桜鯛を食べるならやはりお刺身やお寿司がよいそうです。また、皮の色を楽しむならしゃぶしゃぶなどがおすすめだと、内海さんはいいます。

今の時期だけの桜鯛をおおいに楽しみましょう。
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