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「春の味覚の王者」タケノコは運動不足による便秘の解消にも効果的

2020/04/04 11:45 ウェザーニュース

菜花(菜の花)、ふきのとう、春キャベツ、新タマネギなど、「春の味覚」はいろいろありますが、タケノコも外すことのできない春の味覚の一つです。タケノコは「春の味覚の王者」といわれることもあるほどです。

タケノコの命は短い?

タケノコは漢字では「竹の子」のほかに「筍」とも書きます。

筍は「一旬で竹になる」と読めます。一旬は10日間のことなので、筍の字は10日で竹の若芽が大きく太く堅い竹に生長することを意味しているのでしょう。ただし実際には、30日ほどでタケノコから竹に育つようです。

とはいえ、生長の早いタケノコ。柔らかくおいしい期間は短く、それが今の時季なのです。

高血圧、肌荒れ、味覚障害などの予防に役立つ

タケノコは栄養豊富な食材でもあります。タケノコの栄養について、管理栄養士の柴田聡美先生に伺いました。

「タケノコにはアミノ酸が多く含まれていて、これが『うまみのもと』になっています。タケノコに含まれる必須アミノ酸のロイシンはエネルギー源になるので、疲労を回復する効果を期待できます。カリウムも豊富に含まれるので、塩分の排出を促し、高血圧を予防する効果も期待できます。

必須ミネラルの一種である亜鉛も多く含まれています。亜鉛は、新陳代謝やエネルギー代謝、免疫反応など、私たちの体のさまざまな働きを支えています。亜鉛が不足すると、発育障害、免疫不全、肌荒れ、味覚障害などが起こることがあります」(柴田先生)

新型コロナの影響で、自宅にこもりがちの人にもおすすめ

タケノコには、食物繊維も豊富に含まれています。

「食物繊維には、水に溶ける『水溶性食物繊維』と水に溶けない『不溶性食物繊維』があって、タケノコには不溶性食物繊維であるセルロースがたくさん含まれています。セルロースが腸内で水分を吸収し膨張して、有害なものを排泄する働きをするため、腸内環境を整えることができます。

新型コロナウイルスの影響で、会社や学校に行くことができず、運動不足になっている人も多いでしょう。食生活も、パンや麺類が中心になり、食物繊維が足りず、便秘になっている人も多いかもしれません。こういう人たちにとって、食物繊維や亜鉛などが豊富に含まれているタケノコは強い味方になるでしょう」(柴田先生)

春の味覚の王者ともいわれるタケノコを健康の維持・増進に役立ててみてはどうでしょうか。

参考資料など

『日本の365日を愛おしむ』(本間美加子、東邦出版)