カラスは人間よりも色覚が優れている
「カラス博士」と称される宇都宮大学の杉田昭英名誉教授の研究室で博士(農学)を修得した同大特任助教・株式会社CrowLab(クロウラボ、本社・栃木県宇都宮市)の塚原直樹代表取締役によると、「カラスは優れた色覚を持っていて、人間よりも色を見分ける能力が高い」そうです。
「人間の目は、赤・緑・青の波長の光に強く反応する3種類のセンサーを持っているため3原色で見ていますが、カラスは、近紫外線も加えた4種類のセンサーを持ち、4原色で見ているため、より優れた色覚を持つと考えられています。さらにカラスは、『油球』と呼ばれる特殊なフィルターを持ち、色の識別の精度を高めています」(塚原氏)
また、カラスは紫外線を認識することができるため、「ものを識別する際に、紫外線が重要な役割を果たしているのです」といいます。塚原氏は、紫外線がある状態とない状態で、カラスに実物のハムと食品サンプルのハムを選ばせる実験を行いました。
「その結果、カラスは紫外線が当たっているとほぼ100パーセントの確率で実物のハムを選んだのですが、紫外線が当たっていないと当てずっぽうで選んでいました。つまり、実物と食品サンプルを見分けることができなかったと考えられます」(塚原氏)
カラスは無差別にごみ置き場を荒らしているわけではなく、しっかりとごみ袋の中身を認識し、狙いを定めて生ごみをあさっているようです。ごみ袋は以前、不透明の黒色が主流でした。しかし、分別化が進められると、中身が確認できない黒色の袋はごみの収集にあたる自治体側から嫌われ、ごみ袋の半透明化が普及するようになりました。
「人間の目は、赤・緑・青の波長の光に強く反応する3種類のセンサーを持っているため3原色で見ていますが、カラスは、近紫外線も加えた4種類のセンサーを持ち、4原色で見ているため、より優れた色覚を持つと考えられています。さらにカラスは、『油球』と呼ばれる特殊なフィルターを持ち、色の識別の精度を高めています」(塚原氏)
また、カラスは紫外線を認識することができるため、「ものを識別する際に、紫外線が重要な役割を果たしているのです」といいます。塚原氏は、紫外線がある状態とない状態で、カラスに実物のハムと食品サンプルのハムを選ばせる実験を行いました。
「その結果、カラスは紫外線が当たっているとほぼ100パーセントの確率で実物のハムを選んだのですが、紫外線が当たっていないと当てずっぽうで選んでいました。つまり、実物と食品サンプルを見分けることができなかったと考えられます」(塚原氏)
カラスは無差別にごみ置き場を荒らしているわけではなく、しっかりとごみ袋の中身を認識し、狙いを定めて生ごみをあさっているようです。ごみ袋は以前、不透明の黒色が主流でした。しかし、分別化が進められると、中身が確認できない黒色の袋はごみの収集にあたる自治体側から嫌われ、ごみ袋の半透明化が普及するようになりました。
紫外線がカギ、黄色はカラスが嫌う色ではない
杉田教授の指導で、紫外線をカットできる特殊な顔料を練り込んだフィルムを使ったごみ袋が、複数の企業によって開発されました。顔料の成分は特許を得ています。
「そのフィルムの顔料が私たち人間には、“黄色に見えている”のです。黄色であることが重要ではなく、紫外線をカットする成分がカラスの色覚をかく乱することが重要なのです」(塚原氏)
2005(平成17)年の東京都杉並区を皮切りに、この「人間には中身が見えて、カラスには見えない黄色いごみ袋」が各地の自治体で採用されるようになりました。たとえば、このごみ袋を導入した神奈川県藤沢市の調査によると、カラスの捕食率が一般的なポリ袋だと76~94%だったのに対し、顔料を練り込んだ袋は6~24%だったといいます。
カラスのごみ荒らし被害が大幅に軽減したのは、あくまでも特殊な顔料を練り込んだフィルムの効果なのです。塚原氏は「このごみ袋の見た目の『黄色』が注目され、『カラスは黄色が苦手』という風説が広まっていったのでは」とみています。
塚原氏は「黄色いごみ袋なら、なんでもカラス除けに利くというのは誤りです。中身が見える防鳥ネットをただ黄色くしても、カラスに対しては効果がないことになります」と、結論付けています。
カラスのごみ荒らし被害を防止するには、地域全体でカラスが集まりにくい環境を作ることが大切です。各地方自治体では、「生ごみを減らす工夫をする」「ごみを出す時間を守る」「生ごみが見えないように包んでごみ袋に入れる」「ごみ箱に入れる、ごみの周りをおおう」などのごみの出し方の工夫を呼びかけています。
カラスが活発化するいまの時期は、より一層ごみ荒らしの予防に努めたいですね。
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「そのフィルムの顔料が私たち人間には、“黄色に見えている”のです。黄色であることが重要ではなく、紫外線をカットする成分がカラスの色覚をかく乱することが重要なのです」(塚原氏)
2005(平成17)年の東京都杉並区を皮切りに、この「人間には中身が見えて、カラスには見えない黄色いごみ袋」が各地の自治体で採用されるようになりました。たとえば、このごみ袋を導入した神奈川県藤沢市の調査によると、カラスの捕食率が一般的なポリ袋だと76~94%だったのに対し、顔料を練り込んだ袋は6~24%だったといいます。
カラスのごみ荒らし被害が大幅に軽減したのは、あくまでも特殊な顔料を練り込んだフィルムの効果なのです。塚原氏は「このごみ袋の見た目の『黄色』が注目され、『カラスは黄色が苦手』という風説が広まっていったのでは」とみています。
塚原氏は「黄色いごみ袋なら、なんでもカラス除けに利くというのは誤りです。中身が見える防鳥ネットをただ黄色くしても、カラスに対しては効果がないことになります」と、結論付けています。
カラスのごみ荒らし被害を防止するには、地域全体でカラスが集まりにくい環境を作ることが大切です。各地方自治体では、「生ごみを減らす工夫をする」「ごみを出す時間を守る」「生ごみが見えないように包んでごみ袋に入れる」「ごみ箱に入れる、ごみの周りをおおう」などのごみの出し方の工夫を呼びかけています。
カラスが活発化するいまの時期は、より一層ごみ荒らしの予防に努めたいですね。
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