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春の眠気対策! 体内時計をコントロールする昼寝術

2020/04/03 05:57 ウェザーニュース

春の陽気に、眠気で困ってはいないでしょうか。また、新型コロナウイルスが収束するまで、リモートワーク、在宅勤務を推奨する企業も増えており、いつもと違ったリズムで生活をしている人も多いかと思います。在宅勤務でも1日すっきり活動し、夜の睡眠にも役立つ体内時計の整え方について、眠りのプロに教えていただきます。

人の眠気は1日2回ある!

昼食後、眠気におそわれる人は少なくないもの。実は人間の生理からみても、午後に眠気を感じるのは不自然なことではないといいます。

「人の体には、体温やホルモン分泌、血圧などをコントロールする“体内時計”が備わっています。体温が下がるときに、眠気を感じる仕組みです。

近年の研究により、体内時計には『モーニング・クロック』と『イブニング・クロック』の2つがあることがわかってきました。その影響により、人の体温は、夜12時くらいとお昼の12時から14時くらいに下がるのです。ですから、きちんと睡眠がとれている人でも、お昼ご飯を食べた後ぐらいに眠気がやってくるのは自然なことなのです」(西川・スリープマスター・森優奈さん)

なるほど、1日の中で2回体温が下がり、眠くなるタイミングがあるということですね。
眠気があるまま仕事をすると、業務効率の低下やストレスにつながるといいます。西川・東京オフィスではその対策として、仮眠スペース「ちょっと寝ルーム」を開設し、社員に昼寝を推奨しているといいます。

「当社の研究機関・日本睡眠科学研究所が監修し、理想的な仮眠環境を整えたスペースです。『ちょっと寝ルームで眠るようになって、すっきりして、午後の仕事もスムーズに進むようになった』『午後の疲れが出てくるところに休めて、ストレスが軽減された』と好評です」(森さん)

“昼寝”を最大限に生かすために

ただ昼寝は、眠いから眠ればよいというわけではなく、環境などいくつかポイントがあるといいます。

「一番大切なのは、時間です。12時〜15時の間に15分〜20分の昼寝が理想です。長時間眠ると深い眠りに入りすぎ、起きても頭がぼーっとしやすくなり、夜の睡眠に影響が出るのも問題です。

オフィス勤務の人は会議室やロビーなど、仕事と離れられる場所の方がよいですね。難しければデスクでも、タオルをかぶるなどして光や音を少し遮断します。完全に静かである必要はなく、川のせせらぎや鳥のさえずりのような、心地よいノイズがあるのが理想的。音楽などは、静かな曲でもリズムを追って脳が働いてしまいます。

在宅勤務の人は近くにベッドや布団があると思いますが、深い眠りに入りすぎる可能性があるので完全に横になって寝ないよう注意しましょう。また、食後すぐに横になると、胃酸の逆流を招く恐れもあります。座ったままデスクに突っ伏したり、イスの背もたれにもたれかかったりなどの姿勢がオススメです」(森さん)

【効果的な昼寝のポイント】
・12時〜15時の間に15〜20分間
・完全に横にならない
・暗めか、温かみのある色の光
・騒がしくなく、心地よいノイズがある

午前中働いた疲れを昼寝で回復することは、午後にしっかり活動できるだけでなく、夜の睡眠にも役立つといいます。

「お昼寝をすることで、体内時計がコントロールできるのです。昼寝タイムは、実際に眠らなくても、目をつぶって休憩するだけでもリラックス効果があるとされています。毎日、習慣化することで、短時間でも眠れるようになります。最初は眠れなくても習慣づけることが、大切です」(森さん)

在宅勤務などで生活リズムが崩れがちの人も、昼寝を上手に活用して、健やかに過ごしたいものです。
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