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いつもよりキレイだった3月の青空 新年度も空を見上げよう

大気汚染の指数と空の写真20万通の画像解析から解説

2020/08/04 11:07 ウェザーニュース

3月も終盤を迎えたある日、ウェザーニュースの予報センタースタッフから「この3月、空の青がいつもよりキレイだった気がする。」とのつぶやきが・・・。そこで、実際に3月の空を振り返ってみたところ、意外な事実がわかりました。

ほんとうにこの3月の空気はキレイだった

CII:値が高いほど空気がきれいなことを表す
青空がキレイに見えるには、空気中の水蒸気や汚染物質など様々な要因が関係します。

黄砂やPM2.5などの大気汚染物質の監視や予測を行っている、ウェザーニュース予報センターの解析によると、ほんとうにこの3月の空気はキレイだったようなのです。

大気汚染物質の少なさを表す指数(CII:Clean aIr Index)は、2019年3月の全国平均は0.78だったのが、2020年3月は0.81前後と、0.03ポイント高い結果となりました。

前年同月を上回る日が連続

日ごとの変化をみてみても、2020年3月の値は2019年3月を上回る日が続き、空気がキレイな日が多いのがわかります。

その主な理由としては、新型コロナウイルスの流行に伴い、
1.中国大陸からの越境汚染の低下
2.自動車の交通量の減少(通勤や観光による移動量の減少)
があるのではないかと考えられます。

(CIIは、オゾンやPM2.5などの大気汚染物質の少なさを表す指数で、NICT-情報通信研究機構による計算式をもとにウェザーニュースが独自で算出しています。値が高いほど空気がきれいなことを表しています。)

空の写真20万枚から“青空のあざやか度”を分析

次に、ウェザーニュースのアプリ会員から寄せられた「ウェザーリポート」という空の写真から、“青空のあざやか度”を分析してみました。

2020年3月と2019年3月に届いた空の写真約20万通を、AIによる自動画像解析技術を活用して比較しました。あざやか度が上位となった青空の写真を抽出し、平均化した青の色でイメージ図を描いてみました。すると、僅差ですが2020年のほうが青が濃く、2019年のほうが若干白っぽくくすんだ青となりました。
また、期間中の青空のリポートを色ごとに分類してあざやかさを比較したところ、“とてもあざやか”では3.7ポイント、“あざやか”では2.7ポイント、合わせて6.4ポイントも2020年の3月のほうがあざやか度が高いという結果になりました。
思い切った外出もままならない時期ですが、こんな時こそ晴れた日は、いつもより青い空を見上げてリフレッシュしみてはいかがでしょうか。

空を見上げた時は、写真を撮ってお気軽にウェザーリポートにお寄せください。お待ちしています。
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