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旬の山菜 プロに聞く簡単なアク抜きの方法

2020/03/25 05:55 ウェザーニュース

春の山菜が旬を迎えようとしています。古くから日本人に愛されてきた山菜。わらび、ふきのとう、こごみ、行者にんにく、ぜんまい、ふきなど三十を超える種類が知られています。

山菜はデトックス作用があり、冬の間にからだに溜まった余分な脂肪や老廃物を出してくれるといわれています。また、抗酸化作用のあるポリフェノールやビタミンを豊富に含んだものも多いのですが、一方でアク抜きが面倒です。

そこで山形県西川町の日本で最初に“山菜料理”を提供した料理宿「出羽屋」の4代目、佐藤治樹さんに、一般の家庭で手軽にアク抜きする方法を教えてもらいました。

香りを損なわずにアクを抜くには!?

「出羽屋では、山菜のアクを昔ながらの木灰や油、塩などを使って抜き、時間をかけて仕込み・調理しています。しかし、いま一般家庭で木灰などは用意できないでしょう。木灰がなくても簡単にできるわらびのアク抜き方法を試してみてください。わらび500gに1Lのお湯、重曹(食用)小さじ1が目安です。

まず、わらびを大きめの器に入れます。沸騰したお湯に重曹を入れ、ひと冷まししたらわらびにかけ回しながら注ぎます。そのまま一晩置いて、アク抜き完了です。この方法だとわらびの春の香りも保ってくれます」(佐藤さん)

この時季の山菜は、栽培ものから天然ものへと切り替わるときだといいます。ドライブで道の駅に寄ったときなどで、これから出回る天然ものなどを購入したときに役立つことでしょう。

続いて、こごみのアク抜きについて。

「ポイントは沸騰したお湯で茹がくことです。こごみの青さも残ります。お湯がぬるいと芯が残ってしまいます。注意してください。こごみはクセの少ない山菜なのでサラダや和え物に合い、油との相性がとてもいい山菜です」(佐藤さん)

採れたての山菜はソテーがおすすめ

もし、採れたての山菜が手に入ったら、「鶏肉(鴨肉ならなお良い)と一緒にフライパンでソテーにしてみてください」と佐藤さんはいいます。

「まずは、鶏肉を脂の面から加熱します。しっかりときつね色になったら弱火にして、裏返し、ここで山菜を入れます。弱火でじっくり加熱しながら山菜の香りを鶏肉につけていくのがポイントです。鶏肉、山菜に火が通ったら完成です。山菜には特有のクセがあります。より香りのあるものを選ぶといっそう山の味わいを楽しめます」

せっかくの旬の山菜をアク抜きが面倒だからといって敬遠していませんか。おいしく食べるうえで山菜のアク抜きが欠かせません。さっそく活用して旬の食材を積極的に摂り、美味しくヘルシーな春を過ごしたいものです。