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早まる桜の開花 気候変化が影響か

2020/03/14 22:54 ウェザーニュース

14日(土)、全国のトップを切って東京・靖国神社のソメイヨシノ開花が発表されました。

平年より12日早い開花で、東京のこれまでの記録である3月16日(2002年、2013年)を上回る観測史上最も早いソメイヨシノ開花となりました。

早まる開花 入学式の桜が卒業式に

東京の開花記録を見ると、1960年代の10年平均では、3月30日の開花だったのに対して、1990年代から顕著に早くなり始め、2000年代に入ってからは3月22日が平均となっています。

同様に満開も早まり、1980年代は4月8日だったものが、2000年代以降は3月30日となっています。以前は3月末から4月初めにかけて開花し、「入学式の頃」である4月上旬頃に満開を迎えていたのが、最近は1週間前後早まり3月中に開花、満開を迎えることが多く「卒業式の桜」と言える状況に変わってきています。

高くなる春の気温 都市化などの気候変化か

ソメイヨシノは冬の寒さによって開花に向けて花芽が目覚める「休眠打破」の後、春の気温が高いと一気に生長が進みます。そこで東京都心における3月の最高気温の平均気温を見ると、開花日が顕著に早くなり始めた1990年代から上昇傾向となっていて、2010年代は14.5℃まで上がりました。この値は、1870年代の観測開始以降で最も高い気温で、地球温暖化や人口増による都市化の影響と考えられます。
今後どうなるかの見通しは難しいですが、春の気温がもっと高くなれば、やはりソメイヨシノの生長も早まることが考えられます。東京都心で4月になってソメイヨシノが開花したのは1988年を最後にありません。3月の開花が今後も定着しそうです。

» 桜開花予想・見頃情報

参考資料など

写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)東京都千代田区の空さん